異世界ガードレール


結局行き着く先は曲がり角
くねっと湾曲ガードレールのその下に
滴るしずくが私を異世界へ連れていく

地べたに座って足を伸ばしかけたら
おっさんが「まだ先もあるよ」と話す
放す意識 朦朧、やかましい程の耳鳴り。

うねる視界と歪む音
吐き気を催すくらい幸せな午後10時
明日もあるのに深く酔い詰めて
ベースラインに合わせて体揺らす

気持ちの沈んだ日には曲がり角
くねっと湾曲ガードレールのその下に
滴るしずくが一粒異世界へのきっぷ

きさらぎだかなんだか知らないけど
どこの駅でもおろして欲しいの 私は
私の行き着く先は「さいはて」駅だけ


派手なジャズを掻き回す
哀しいロックスタアが
隣に座ってただ一言死にたいと宣う

愛だ恋だのつまらん事情
跳ね除けては向こうで噛む
パラレルだって今は日常
羽も生えてなんて幸せ

「言語に相違を感じない」
「景色に相違を感じない」
「あなたの鼻先が脳髄に」

半分低いカウンターの向こうは雨
白い曲がり角が行きつけの店


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