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ネットの闇サイトについて

今やネット無しでは生活できなくなり、ウイルスやサイトなど、20年以上前までは無縁だと思われていた存在が身近になった昨今の情報社会。

今回はそんな情報社会についての知識、ディープウェブという概念について深堀していこうと思う。
最初に注意事項として挙げておくが、当記事で以下に記載する事項の知識を持ってくれることは執筆者としてもありがたいことだが、決して面白半分でアクセスすることだけはやめてほしい。

ディープウェブとは?

ディープウェブとはいわゆる、我々が普段使っているGoogle、Yahoo!といった検索エンジンの検索結果ではヒットすることのないコンテンツのことである。
これらは「非インデックス」コンテンツとも言われ、ログインする際に合言葉や秘密の質問などのアクセス制限でロックされていることがほとんど。
このディープウェブには7500TB(テラバイト)もの膨大な情報量が入っている。
サービスウェブはこれの二分の一にも満たない19TB程度の情報しか入っていない。
インターネットの90%以上を占めているのがディープウェブということになる。

しかし、ディープウェブ=危険という考えはこの時点では早計である。
Google、個人用のメールやパスワード管理ページはディープウェブであり、通常の検索エンジンでは引っかからず、一般の検索エンジンからのアクセス自体が禁止されているため、ディープウェブという扱いになっている。

ダークウェブとは?

ではそんな、暗号や個人用の管理サイトを取り扱うのがディープウェブだと分かったところで、ダークウェブについて触れていこうと思う。

ダークウェブとは、ディープウェブのさらに深奥にある、ほんの小さな領域(おそらく10%にも満たない領域)のこと。
内容としては犯罪行為や違法薬物の取引だったりなどが目立つ。
ダークウェブにはGoogleやYahoo!でつながることは愚か、ディープウェブで扱う専用サイトでもたどり着くことはできない。
ダークウェブ上で取り扱うすべては匿名とされ、ネット上で最も不透明な取引が行われているとされている。

英国のキングス・カレッジ・ロンドンの研究者が2700以上のダークウェブのコンテンツを調査した結果、その60%ほどが違法コンテンツを扱っていると判明した。
とは言っても、ダークウェブは一概に悪いものと定義するのは難しい。
その理由は、ダークウェブ内にも無害なサイトが存在するからだ。
それがアクセス手段で、有名なものだとCandle, Not Evil, SearXなどがある。
これらサイトを使用するには、いずれもTorという専用ブラウザが必須である。

ユーザーも管理者も、出会い系やTwitterといった人と繋がり懇意にする交流サイトとは違うため、ダークウェブを利用する以上、個人情報を明かすようなことはない。
ゆえに、サーバーを停止させ、全ユーザーに制限をかけることは非常に難しいことなのである。

アメリカ国家を脅かした某闇サイト「シルクロード」

歴史上、ダークウェブで世界的に有名なサイトと言えばなんだろうか。
それはおそらく2013年まで運営されていたアメリカの闇サイト、「シルクロード」が最も有名だろう。
サイト開設者はロス・ウィリアム・ウルブリヒト。
彼は2011年にサイトを開設。2013年まで運営されていたが、開設者はその後逮捕され、事件は収束。サイトは当然消滅している。

取引されたものは以下の通り。
1薬物…………コカイン、マリファナなどの依存性薬物
2マルウェア…………コンピューターウイルスなどの有害なソフトウェア
3海賊版サイトのURL…………著作権を無視した非合法コンテンツ(漫画村みたいなもの)
4アカウント…………盗まれたアカウント
5クレジットカード情報…………パスワードなど

一日のサイト上の取引額はなんと120万ドル(日本円でおよそ1憶3000万円)を超えたという。
2021年には「シルクロード.com-史上最大の闇サイト」という題名で映画化もされており、この事件を元に製作されている。

ディープウェブとダークウェブの相違点

ディープウェブとダークウェブの違いについて、まとめたものが以下のものである。
・ディープウェブ
規模…………ネットの90%以上を占める
利用例…………Gmail、Amazonアカウントなどの個人用サイト
 危険性…………中(フィッシングメールやワンクリック詐欺に掛かりやすい)

・ダークウェブ
規模…………ネットの10%にも満たない範囲を占める。
利用例…………犯罪行為、内部告発、反論表明
危険性…………大(ウイルスやマルウェアといった危険なソフトウェアをダウンロード
してしまう可能性が高い。)

ダークウェブは違法なのか

ダークウェブにアクセスすることは、Torブラウザ(合法サイト)を使用すればまったく問題ない。
ただ、薬物取引やクレジットカード暗証番号を購入したりすることが違法である。
これはダークウェブに限った話ではなく、あらゆるネット上のコンテンツに当てはまる。
違法ではないにしろ、調べなしで右も左も分からないままダークウェブに潜るのは非常に危険である。
アクセスする理由や必要性がない以上、興味本位で安易にアクセスすることはおすすめしない。

利用する上でのリスク

ダークウェブにアクセスすることは問題ないが、ハッカーとよばれる攻撃者たちにとってダークウェブは、ユーザー側を嵌めるためのフィッシングサイトや、入力した情報を盗む偽のログイン画面を仕掛けて情報を集める餌場としても注目されている。
そのため、リスクとしてはワンクリック詐欺によるウイルス感染や、情報の抜き取りが発生する可能性があげられる。

アクセス方法

PCからアクセスするには、以前から紹介しているTorブラウザ、またはBraveと呼ばれるサイトを利用する。
また、スマートフォンの検索エンジンからもアクセスすることが可能。
ただし、アクセスすることは絶対におすすめしない。

終わりに

現代はネットの発展により、生活が豊かになった者も、大切な人と出会える機会を与えられた者もいるだろう。
私たちが生活する上で、ディープウェブは関わることはあってもダークウェブはほとんど関わることはないと思う。
だが、フィッシングメールやワンクリック詐欺の横行によって、そういった危険度の高いサイトに飛ばされるリスクは、複雑化する情報化社会を生きる上で無視できないものとなった。
画面をクリックする前に思いとどまってほしい。
このサイトで入力してもいいのか?
同じ事例がないか調べてみよう。
このサイト、怪しくないか?

常に目先の欲求や興味、広告という情報の波に流されず、落ち着いて考えることこそ、情報社会を生きていくための処世術なのかもしれない。

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