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レシピ付きエッセイ🍳 詩を食べる「ポエジオ食堂」

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詩を文字通り「味わう」には、詩を食べてみるのがいちばん。ポエジオはエスペラント語で「詩情」のこと。詩からインスパイアされたレシピを紹介します。
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#短歌

【詩を食べる】海に行かばなぐさむべしと(牧水)/海の底力、スープ・ド・ポワソン

海では癒えない痛みと一昨年の春から、遠浅の美しい海から徒歩1分のところに住みはじめた。 毎…

【詩を食べる】すこし、泣いたら(伴風花)/泣くおとなのためのメロンジュース

詩を味わうためのレシピです。今日紹介するのは、伴風花さんのそっと寄り添う短歌と、泣いた日…

#34 「またね」と言うくらいのつよさ(千葉聡)/ポークソテー、おとなのマーマレード…

詩を文字通り「味わう」ためのエッセイとレシピです。レシピもあるので、よかったら詩を読んで…

#17 美しい少女一人を好きになり(佐佐木幸綱)/人を好きになった日のシャーベット

恋という疲労美しい少女一人を好きになり夏の一日(ひとひ)の疲労鮮(あたら)し  佐佐木幸…

#16 息を呑むほど夕焼けで(石川美南)/にんじんの濃厚リゾット

いきなり引き込まれた短歌というファンタジー 6年前、京都の恵文社一乗寺店。 石川美南(いし…

#2 春芽ふく樹林の枝々くぐりゆき(中城ふみ子)/アスパラのサラダ

生まれたての新芽に惹かれて4月のお散歩はたのしい。植物の生命力があちこちで芽吹いている。 …

#1 きみが歌うクロッカスの歌も(寺山修司)/クロックムッシュ

口ずさむひと春からいっしょに暮らしているひとが「オー・シャンゼリゼ」を口ずさんでいたので、私も台所でつられて口ずさむ。 ♪いつも何かすてきなことが あなたを待つよシャンゼリゼ 台所の窓から、シャツやタオルが気持ちよさそうにゆれているのが見える。海からの風。今日もいい天気。 詩人、歌人、劇作家、映画監督とマルチな才能を発揮した寺山修司による歌だ。 ふたりの生活をうたう歌家具はまだそろっていない新しい部屋に、すきな人がいて口ずさんでいる。たったそれだけのことで、なんと生活