地域に根ざした新しい文化構築スタイルを。古事記project株式会社代表 村上良之さん、まみよさん
経営者でもあり、アーティスト活動で新しい取り組みをされている、古事記project株式会社代表 村上良之さん、まみよさんにお話を伺いました。
プロフィール
出身地 村上良之さん 栃木 / まみよさん 札幌
活動地域 東京
経歴 村上さん / プロドラマーとして、2010年まで活動。THE SAX-NIGHTでavexよりデビュー。
まみよさん /「理由」(TBS系ドラマ主題歌)でメジャーデビュー、「小さな手」(エリエールの紙オムツ「Goo.n(グーン)」2010年度イメージソング)、アニメ「蒼穹のファフナー EXODUS」 「Oddesey」作曲・編曲、アニメ「18if」エンディング曲作詞などを手掛ける。
現在の職業および活動 村上さん / 古事記project株式会社代表取締役、総合プロデューサー。プロジェクト内のコンテンツ全ての企画、プロデュース、ディレクション、運営、営業を行う。杉並区のバイクショップ motorcycle factory【閃屋】 代表、(公社)東京商工会議所杉並支部青年部幹事、杉並区中央線あるあるプロジェクト実行委員。
まみよさん / シンガーソングライター、古事記project株式会社取締役、総合監督・音楽制作責任者。プロジェクト内の楽曲全てを制作。全てのコンテンツの企画、プロデュース、ディレクションを行っている。ライブ活動の他、楽曲提供、ラジオパーソナリティなどでも活躍中。
座右の銘 村上さん / 災難ってモンはたたみかけるのが世の常だ。言い訳したらどなたか助けてくれんのか?byロロノア・ゾロ
まみよさん / 成せば成る
日本の原点にある書物を広げていきたい
Q どのような夢やビジョンをお持ちですか?
村上良之さん(以下、村上、敬称略)はい、夢、ビジョンとしては大きく二つあって、一つは古事記という日本の原点にある書物を 広げていきたいということと、もう一つとしては地域に絡んでいきたい、というのがあります。古事記というコンテンツを扱い始めてから、様々な神社に行く機会が増えました。その中では潤っている神社さんも有れば、なかなか経営の苦しい神社さんも有ります。神社はかつて、地域の人たちが集まるランドマークだったはずなんですよね。でも、現代では人の集まる神社はごく一部の有名な神社です。もっといろんな神社があるし、その地域の歴史を色濃く伝えてくれる大切な資源でもあると思います。そんな神社や地域を盛り上げる仕組みを作って行きたいです。
まみよさん(以下、まみよ、敬称略)大きな柱はその2つで、古事記を広める為のコンテンツとして音楽とかボイスドラマを作っているのですが、日本だけでなく世界に広められるコンテンツを作りたいので、最終的にはアニメ化をしたいと考えています。でも、まずは絵本とか、自分たちで始められるものから世界に向けて発信していきたいと思っています。
長期的に着実な一歩一歩を
Q それを具現化するために、どんな目標や計画を立てていますか?
村上 コンテンツ作りに関しては、日々新しい様々なものを作り続けているのですが、現在の一番のメインはボイスドラマになります。来年コミケが5月にあるので、そこを目標に、現在新作の製作にはいっています。扱っているのが古事記ということもあり、一過性のものではなく、長期的な地に足の着いたコンテンツ作りを目標としたいですね。
まみよ 私達は古事記をサブカルチャー寄りの方向性で作っているのですが、今のサブカルコンテンツは一過性の物が非常に多いのです。作品の質ももっと上げていきたいし、長期のコンテンツ作りを目標に考えています。また、デリケートな部分も有るのが古事記なので、その辺の配慮はして行きたいです。
記者 もともと古事記に関心があったのですか?
村上 いえ、実はもともとあったわけではないんです。本当にご縁でそこに辿り着いたという感じです。
第一にあるのは信頼関係
Q その目標や計画に対して、現在どのような活動指針を持って、どのような活動をしていますか?
村上 今はご縁があって奈良の村屋神社さんを中心とした地域の皆さんと取り組みをさせて頂いています。村屋神社の主祭神「三穂津姫」をテーマにした楽曲作りやイベント制作等をさせていただいています。地域に関する事は、階段を3段飛びで行く様なことは絶対出来ないんですよね。その神社には足繁く2年ほど通っているんです。ボランティアさん集めて清掃活動などをしたり、地道に、地元の方々の理解を得られるよう、一つずつ積み上げていくことをしています。今回、奈良でやらせてもらっていますが、他の地域でもさせてもらえるようにできたらと考えています。
最終的にはシステム化しないといけないと思っています。地域に関する事も一過性になってはいけないので、循環する経済をつくっていきたいですね。そこに辿り着くのは、やはり人なので、地域住民の方たちが一緒になって本気でやらないとできないことなので、信頼関係を第一に考えています。
記者 なかなか地元の神社のことは知らない人も多いのではないですか?
まみよ そうなんです。地域の人のほうが知らなかったりして。まずは地域の人たちに伝えたいですね。村屋神社は日本書紀にも登場する由緒正しい神社なのですが、日本書紀って何だっけ?と言われたり、そんな由緒正しい神社だったの?と驚かれたりします。すごい歴史があるのに知らない人の方が多いという。単純に知るだけでも面白いんですよね。皆に知って貰えるきっかけ作りをしたいですね。
神様一柱一柱にストーリーがある
Q.そもそも、その夢やビジョンを持ったきっかけは何だったのですか?
村上 最初は、ロックバンドをやろうと、二人で集まったところから始まりました。2015年のあるとき、まみよがfacebookでバンド仲間募集を呼びかけたのがきっかけです。それがなければこの出会いはなかったですね。バンドはいろいろやってきていて、10年前に、周囲にお世話になりながらバイク屋で起業して、そちらに集中していて、そろそろバンドを始めたい時期だったんです。
元々知り合いではあったのですが、一緒にバンドをやったことはなくて。方向性について話す中で、全部を集めたときに一つの物語になるようなものにしようと、そこに教育を加えていこう、ということになり。そこで探すうちに古事記に行き当たり、古事記の曲をロックで作ろう!と始まりました。
記者 日本の神様も結構ロックな感じありますよね。
まみよ そうなんです。神様のイメージが一柱一柱に自分たちの中にあって、、、勿論古事記の原文には無い自分たちの創作の部分なのですが。例えば、ヤマタノオロチの物語だと、この神様はすごく暴れているから、激しいロックにしようとか。古事記projectのアマテラスは、アマテラスはお酒好きの設定だから、演歌にしようとか。それを考えるのが楽しいですね。勝手に神様のイメージを膨らませてやっています。
Q 今の活動の根幹にある想いとはどんなものですか?
村上 人のつながり、ご縁ですね。人のつながりだけでここまで来ているので、それがあるからがんばれます。今までやってきたことがひとつも無駄なくつながっていて、地域とかに目がいくようになったり、バランス感覚がわかるようになったのも、以前、東京青年会議所というところに所属していた時に学びました。地域、都、日本でなんとかしようという風に、考えが広がっていきました。
Q 最後に読者へメッセージをお願いします。
村上 知ると日本を好きになるので、古事記を通して、日本の文化、歴史、など。そういうのを知ってほしいなと思います。
まみよ 自分だけではなく、みんなが幸せになれるような活動をしたいです。今まで出会った人、今まで失敗したこととかも1つも無駄な事は無いと思うので、全部に感謝をしていけたらいいなと。みんながそういう気持ちになれたらいいなと思います。
記者 ご自身たちのお好きなことを通して、日本のことを伝えられるのはいいですね。本日はありがとうございました。
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【編集後記】
今回、インタビューを担当させてもらった西尾、森、村田です。
日本の根幹にある古事記を新しいスタイルで広げていこうとされているお二方のお話をお聞きして、嬉しい気持ちになりました。日本人の持つ精神性を音楽、アートを通して表現していけることは、これからの日本文化が世界に発信されていく中で素晴らしいツールですね!
今回は楽しいお時間を共にいただきありがとうございました。これからのご活躍を楽しみにしています。
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