天野鳩介

「われらの時代の目につかぬ寺院」 詩。

天野鳩介

「われらの時代の目につかぬ寺院」 詩。

最近の記事

ダヴステップ(dovestep) 【詩】

今夜は踊ろう ハトのステップで    ダヴステップ ダヴステップ ダヴダヴダヴ    スズメもカラスも人間も 炎を囲んで踊りましょう ハトのステップで   ダヴステップ ダヴステップ ダヴダヴダヴダヴ 「ハトさんはいつ来るの?」 「ハトさんは来ないよ」カラスがいった 「きょうの朝、ヒナを猫の奴に食べられたから」 今夜は踊ろう ハトのステップで   ダヴステップ ダヴステップ ダヴダヴダヴ   スズメもカラスも人間も 炎を囲んで踊りましょう ハトのステップで   ダヴステッ

    • 狩り 【詩】 【短歌】

      境川に 白サギ一羽 降り立つ 時のはざまの しじまの裡に 足どりは 哲人のもの 黒脚が 水をふるわせ 波紋を起こす 恐怖でも 冷気でも ない かの弦を はじき 魚を踊らせるのは 彼女は いま   真剣な狩りの最中 時間さえも 見とれてしまう

      • 水族館にうってつけの日 【詩】

        誰が何と言おうと 水族館へ行くのは雨の日に限る 梅雨ならなおいい 少し後ろめたくなくなるから それに昔を思い出すから ずっとずっと昔を 私が私じゃなくて 君も君じゃなくて ヒトがヒトじゃなかった頃を あの頃は  今ほど雨音は聞こえなかったけれど もっと自由だった 小さかったけれど からだ全部で世界を泳いでいた たとえ巨大な口に 飲みこまれる運命にあったとしても 今すっかり大きくなって 耳は雨音を聞くためにある それからクラゲのおしゃべりも 雨の日は水族館にうってつけの日

        • さんぽ 【詩】

          めが そらを みみが ことりを  はなが はなを あしが みちを こころが わたしを おしえてくれる  さんぽ

        ダヴステップ(dovestep) 【詩】