見上げる夜空は何の匂い

なかなか簡単に流星は流れない
まだ時間が早いのか、ちょっと曇り気味なのか

春の夜空を眺めながら、懐かしい匂いを感じる
いったいこの"匂い"とは何なのか、なんと表現したらいいのか分からないけど
この感覚をわたしは匂いと呼んでいる

気温や湿度、自然界から湧き出す香り、静まった中に反響してくる音
そんな五感で感じるものを混ぜ合わせたものが"匂い"だ
ゆうなれば今感じている雰囲気だけど、その場で感じるノスタルジックな感情も多分に含んだ感覚
特に鼻から吸い込んだ空気によって引き出される感じがする

他人に説明して分かるものではないのかもしれないけど、
感覚を共有するとき、この匂いが伝わったら良いのになといつも思っている

春の匂いは特に強く私に訴えかけてくる
おそらく、春の芽吹きの力が一気に世界を変えているのを感じるからだと思う
そして、昔から、春の時期は夜空を見上げながら帰ることが多かったからだと思う

懐かしい匂いを感じながら、
これから先の未来を想像しながら、
しばし夜空を眺める今宵