11頁 「生きづらさを感じるあなたへ」




子供の頃はよく泣いていたのに
大人になったら いつの間にか 泣かなくなっていた

強くなったわけじゃない
泣かなくなっただけで ただ それだけで

悲しむよりも 悩む時間の方が多くなった
考えが巡ること 空っぽの時間 行き来して
体が動いてくれたり そうでなかったり
考えなければいいのに
でも この答えは 自分しか たぶん出せない
だから きっと 今も考え続けている

泣いて 誰か と呼んだ子供の頃の声が
ずっと 未来の 今の自分の背中を追い越して
星みたいに 光っている

考えること 考えないこと
立ち止まること とりあえず進むこと
窓を開けたり閉じたり
風を入れたり閉め切ったりする
玄関の鍵をかけたり 開けっ放しにしてみたり
あえて一人になってみたり
誰かを招き入れてみたりして

自分を生きて
自分を感じている
自分をやり過ごして
自分のなんとなくちょうどいいここんとこを 探している

どうせなら
ノートを見せ合いっこするみたいに
一緒に 探してみない?
そんな時間が過ごせたら いい



上手くいかない時(何か方法はないかと必死で考える)
でもそれは方法が無いから上手くいかないわけで(考えたって無駄)
あなたは真剣に懇々と悩み続けるかい?(案外そういう人は少ない)

「つらい」に向き合うことこそが、つらい
逃げずに誤魔化さずに向き合うことは本当につらい
1時間の真剣な悩みは1日分の心のエネルギーを使い果たす

内的問題は未来か他人を含む問題
未来と他人のことなんて考えたって分かるわけがない
分かるわけがないのに悩む(答えが無いのに)

言語化は時に愛そしてユーモア
(祈りであり喜びでそれらも含め呪い)

頭の中をいつもいつも何かの言葉が占有している
消えてもまた新しい言葉が出てくる

「脳の空白状態」がなければ生き疲れる
自然に触れる身体を動かす1つに集中して頭を動かすなんでもいい

空っぽの脳に透明な風を
「行動」の転換に伴うからじっとしていてはいけない
(動き出すまでがたいへんだけれど、ほんとうにこれが効く)

悩みの多くは答えがない
だから考えたって無駄だ
それは人生や自己の放棄ではない

事実だ
その事実に向き合う時
人生は驚くほど軽くなる

このままじゃいけない
もっと頑張らなきゃ
この先へ、もっと、ずっと先へ

それら欲望と希望と展望と執着をすべて捨て去って
今を呼吸して生きていることに気づくだけで

あなたはあなた自身から一瞬で自由になれる

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