14頁 「12月28日、お願い今日という日が暮れないで【日本・東京】」





見上げた空が美しかったから
遠くの世界を見てみたいと思った

違う場所で見た 夕日の美しさは何も変わらなかった
遠い場所でも 同じ場所にいた
今日という一日の眩しさも
何一つとして

結局この世界は 美しいことが分かった
どこにいても同じだった

頭上の空も
海の向こうも
生きている人も
どこか知らない町も

この世界が美しいというだけで
きっと私は救われている
この旅と人生に 意味がある

結局この手には自分だけが残る
何に出会っても

それがきらきらするのもしーんとするのも
自分の心次第

いつも思うのは
今日という日がずっと続くこと

その限りにおいて
人生は永遠だ

その気になれば
私は夢の中を 生きることだってできる
私は孤独も みんなと一緒でも いられる

何に出会っても
別れることが決まっている

旅に慣れた私は
それをもう切ないほど知っている
それでもこの手は未来を選ぶ

出会ったものが心の中で 一つの景色を描くような
故郷のような懐かしさを残して 私の中に溶けていく

出会ったものすべてが 今日という日を約束する
思い出よりも 今日の眩しさを
胸の中の宝物が 今日を照らす



遠く暮れてゆく夕陽(もう何度見つめて生きてきただろう)
けれど毎日想う(だってキレイなんだもの)

美しい世界があの海の向こうに広がっていると知った7歳の頃

「見たい」と言うから「感じたい」と叫ぶから
けれどもういつでも行ける手段を得てあとは走るだけ

すごい1年だった(がんばったと思う)

眠って起きて通って歩いて時には駆けてしゃがんだり
「どこまで行けるか」と競っていたけれどもう4年も駆けた

生きる場所も仲間も手元もすべてすべて整って

12月28日の夕陽が暮れてゆく(また1日が終焉に向かうのだ)
夜が始まり繰り返す積み重ねの美しさは何事にも代えがたい

本当に家を持たないまま暮らした2017年365日

自分の鍵を握ること琴線が触れるモノ・コトに囲まれて生きること
目が合って笑い合える人と暮らすこと

「人生にはリビングとソファが必要なのかもしれない」
(気がついたのは、もうずっと遠く、イギリスのロンドンの旅だった)

「このまま進むのか」ずっとずっと悩んでいた「今ならまだ戻れる」2017年

けれど決めた私は私の道をゆく(隣に誰かが居てくれたらいいなと切実に)
道なき道を拓くにはひとりはあまりにもあまりにも

心から信じたいと思える仲間に出会うためのたったひとつの方法は
「ひとりでもやる」と腹をくくること

決めるまでもがいたその過程でたぶん大切なひとに出会えるように
世の中はできている

"いつか ふたりになるための ひとり
やがて ひとりになるための ふたり"

どうして世界は毎日色を変えるんだろう
地球をくるりしてきた子に最初にかけた「何を見て、何を感じてきたの?」

広くてキレイでとってもあたたかで切ない旅

さぁ新しい年が来るとやっともうすぐ振り返る

見つめる先はもうずっとずっと未来まで
坂や嵐があるといえどもやはり一本道で続いているように

狭間でふわり温もりに囲まれて眠る暮れないで28日
繰り返せない美しさが生きるということだとするならば

今日がこのまま過ぎなければいいのにと毎年まいとし思っている

クリスマスが終わってけれど年越しまではもう少し時間があって
カウントダウンにはまだちょっぴり早い

時間の狭間でふわふわ眠っているような12月28日くらい
ゆったりくらりお日さまの光を浴びつつ過ごしていいかしら

世界は刻一刻温かな風が吹くようになってきた(私は今年毎日感じてる)

一年間おつかれさまでした
次にくる年はいまの年よりもきっと美しくなると想うから



今日を生きた今年を生き抜いたあなたのために
頑張って駆け抜けて戦うように大切なものが零れないように
途切れないように紡いできたあなただけの道を
今日という日が照らす
(だからすべての美しさはあなたのために許しのように)



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