シェル・シルヴァスタイン「ぼくを探しに」

まるでローリングストーンだと思う

転がり続けるローリングストーン

口ずさむように 躓いたら跳ねて勢いに変えてしまえばいい

そんなことを思った

失敗をして 落ち込むのではなく
その淡々とした どこか寂し気な

でも 底抜けに自由な感じが

時間や責任や義務と立場に捕らわれて
まるで追いかけっこのように 気づかずに焦っていた時に
そういうものの全てが まるでころころと転がっていくような気がした

裸の自分がなにもない気がして
そういうことが怖い気もしていて

でも 「ぼく」は そうではないのだ
全身全霊で「ぼく」で「ぼく」である限りその身に降りかかる全てを
通り過ぎていく

転がって 進む
そして感じたことを唄う

ただそれだけが 楽しくてしかたがないと
それが 生きることなんだと 歌う

足りないなら 満たせばいい
でも満ち足りた自分は どこかつまらない

足りなさを埋めるように必死だった自分の何かが
そこで落ちていった気がした

泣きながら 思った
歌えないと

仕方がない

それが私にとって 詩だったのだ

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