24頁「絶対に3人目は産まない」
Ⅰ
『痛みは忘れる』忘れられるわけがない繰り返しのそれは
どうして「また妊娠した=痛みを忘れたから」となるのだろう
「もう二度と産まない」叫ぶくらい暴れるくらいの痛み
怖いけど頑張ろうと思えるだけの二人目を望む願いが私を少しだけ強くした
決して「痛みを忘れたから」じゃない
幸せはあっけなく崩れてしまう痛みなのか悲しみなのか涙が止まらない
頑張れた頑張れない他人の誰が私のそれを決められるだろう
高熱より痛みよりその否定が一番痛かったのが悲しかった
心は思っているほど丈夫じゃないそれは雷鳴みたいに切なく泣いた
どうしてがんばりが足りなかったなんて言えるだろう
追い出された人よりも追い出した方が傷ついて泣いて痛くてボロボロだった
痛みに弱い私が頑張っていないならもう次はない
流しきれない思い出がこびりついてもう消えてはくれないのだろう
ほんの数日でひっくり返るそんな日、そんな人生に、
けれども幸せは、ここに、ある、これからの日々
Ⅱ
それは消えない悲しみを残した、新しい日々の始まり
忘れられない痛みを楔にして一つ乗り越えて
消えない傷を糧にして一つ、また進んで
それは繰り返さない覚悟と
新しい日々への決意を残して
淡く消えてくれない眩しさのようで
手には痛くなくても目にはそうじゃなくて泣いてしまう
その涙は誰にも見えなくて
がんばってるつもりな私が全身全霊で泣きながら叫びながら進んだその痕を
がんばれてないのだと突きつけられてしまったそれをせめて私は誇ろう
はねのける気力がもうなくてがんばれなくても権利などなくても
きっと、その正しさをこれからの日々が教えてくれるだろう
これからのこうふくなひびが、私に示してくれるだろう
一生忘れられないそれが
きっと、柔らかくその眼に映った時に
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