6頁 「どうしても出来ない人たちだって、いるの」





波に揺られる筏のような
いつになったら漂着するのだろう

何度堪えれば 救われるだろう

孤独と思って必死に歩いて生きた時間は
同じように一人の誰かと 一緒だった

心の中で泣いていても 笑っていられるのが
強さなのかもしれない

涙に暮れて俯くのは簡単だ
でもきっと それでも顔を上げて見えた眩しさを信じて
歩いていきたい

いつか辿り着くように 光の射し込んだ場所へ
その声は届く いつかどこかで 漂流する誰かの元へ



当たり前の命なんかじゃない
(生まれないままで泣き声も聞こえない)
(痛みは悲しくて体を抉る虚しさしか残らない)

命はずっと戦っている
(新しい命を望む声は励ましではなく批難でしかない)

優しさについて考えている
呼吸をした数だけ 寝て起きた数だけ

それはもう「悲しみ」とは言わない
「悲嘆」は根深く苦しさも悔しさも
無理でやわな自分を鼓舞する

みんな頑張っている
(想いも載せて言葉を武器にする)

優柔不断で自信がなくてもいまいちパッとしなくても
朝の静寂の中を1人で呼吸して
想いを言葉に落とし込む時間を重ねて
一字一句心を込めて紡いできた
それは瓶に入れて海に投じる恋文で宛名がなくても必ず届く詩

言葉を光に変えて勇気に変えてどうかこの世界を優しく照らしてください
どこかで戦っているあなたが挫ける前に

言葉の無力さは痛いほど知っている
だからこそ言葉の力を信じて進む

毎朝職場でお湯を沸かしながら
窓に覗く木の幹を眺める時間が愛しい
仕事終わり明日の到来を信じながらデスクを整えるのが幸せ
家族が「月が綺麗」だなんて言ってくれるとときめく

自分の人生に関わっている人たちが大好きで仕方ない
好きな分だけたくさんもらったから返せるだけ返したい

「お母さんは頑張っているよ」その声はちゃんと空に届いている

いつか誰かを支える力になる日は来ますように
答えは空の彼方へ
強く生きよう言葉の数だけ
優しさはその先にあることだけは
命の温かさとそのキセキが 証明している


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