村岡俊也「酵母パン 宗像堂: 丹精込めたパン作り 日々の歩み方」

――これは
人の、命の、
在り方の、話だっただろうか。

自分という命が
そこにあって
心を込めたものを
何かにしたい
カタチにしたい

それが誰かに届いたなら
嬉しい

それが
誰かを少しだけ豊かにするなら
嬉しい

自分という形
食べものという、形

それは交歓だっただろうか

いつか消えてしまうそれは
生きる意味にも
似ていたかも しれない

目の前の誰かを
胸の中の言葉を

大切にしようと
思った

―それはきっと
宝物だよ
かけがえのないものだと
思って 真摯に向き合って
扱うのなら きっと 何かが
応えてくれる

そんな希望を教えてくれた


――そうだった
これは、パンの作り方の
話だったのだ


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