20頁「子どものいない家族の様々な事情」





結婚したら自然に子どもを授かると思っていた
産まれてきた子どもは健康で
育児は大変だけれどすくすくと成長して家族になっていく

そういうものだと思っていた
これは当たり前じゃなくて奇跡だったなんて
どうして誰も思わなかったのだろう(当時の私も含めて)

だからそうでない未来が納得ができなかった
きっとみんなみんなそうで
だから誰もそういうことに気づかなくて
平気で奇跡を押し付けたりできてしまう

そういうことかと思った
色々なことがあった たくさん葛藤もした
それでもこれは私の人生だ
私には私の人生があるし楽しんでいいそれは私が決めていいことだから

当たり前な幸せは 誰かにとっては叶わなかった夢かもしれない

どうしてこんなにも簡単に人は分かり合えなくて
すぐに誰かを傷つけるようなことをしてしまうのだろう

出産も子育もママやパパもすごいってこと
成長していく子どもも尊くて

大切なものが どうか見失われませんように
誰も傷つきませんように

色んな生き方があって生きにくさがある
色んな幸せがあって色んな不幸がある

それでも きっとあなたは 一人ではないのでしょう

私も あなたも
誰もが みんな ここで

ここで生きて 同じなのに違う光を求めてる

それでいいしそういうもの

どうかどうか
すべて等しく「あなたの大切」が守られますように


誰もが成功するわけではないそれは選択肢のひとつだけれど
自己嫌悪と世界の全てが敵くらいの勢いで精神的に受けるダメージは多大

「3日後の午後15時ピッタリにきてください」そんなね無理
(言われたとおりにするしかないわずか10秒の診察と3秒の注射のために)

絶対に知られたくない話したくない人もいる墓場まで持っていく人だって

命が掛かっているからみんな本気で真剣で余裕だってどこにもない
理不尽で気持ちの問題で金銭的理由で

「家族をつくること」は全然当たり前じゃない
勝手にできるものでなくてこれは一つの奇跡だったなんて

夢と現実の折り合いは時間が解決してくれることもある
気持ちは消えなくても自分から誰かを妬んで不幸になる必要はない

実に色々な事情と絡まる数多くの苦痛と傷と不毛な諍いと
家族の形はそれぞれ生きにくくてもそれなりの幸せで楽しく過ごすのと

いったいどちらを 人は選ぶのだろう

全員事情が違うこの場所でけれども性別を超えた愛が認められつつある時代
思いやりと共存の社会になったらいい

みんな違う あなたの幸せも 私の幸せも

比べることができなくて
それなのにこの社会は生きにくくてしんどくて痛いことばかりで

だから時代は変わっていく
そうなるように 一緒に生きるこの場所で



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