時空絵巻 30頁 おまけトーク(好きな詩人)

「命育む過程」

生き物が死に絶えていく
それは人の手によって
生命は死に絶えていく
それは温暖化によって

人の影響は自然界に匹敵する

そして生命たちが消えていくことを間近に見続けて
人は何を想うだろうか―

食べ物が無くなることを想像し恐怖したかもしれない

やがて彼らは自ら食すものを育て始める――農業がこうして始まる

彼らは悟ったのだろう

生命とは自然と変動し―生死が容易く移ろうものだと

故に彼らは不変を欲したのだろう

自らの抱えるその両手に―より豊かなものを持っていたいと

作物は育ち 獣は家畜となり
人々は貨幣を生み出し―労働が生まれていく

必要なものを自らの手で生み出して
彼らは自然界へ挑むことになる

思考があるからこそ
時の流れを感じるのではなく
考えてしまう―その未来を
その不自然な姿は歪んだ物を引き寄せるだろう
―不安と恐怖である

その時人々は自然を支配したのではない
己の内側の欲望に支配されたのだ

between

生き物が死に絶えていく
(それは)人の手によって
(生命は死に絶えていく
(それは温暖化によって

人の影響は自然の力(界)に匹敵する

(そして)生命たちが消えていくことを間近に見続けて
人は何を想うだろう(か―)

食べ物が無くなることを想像し恐怖し(たかもしれない)

やがて(彼らは)自ら食すものを育て始める(――)農業が(こうして)始まる

(彼らは悟ったのだろう)

生命とは自然と変動し 生死が容易く移ろうものだと

(故に彼らは)不変を欲したのだろう

自らの抱えるその両手に(―)より豊かなものを持っていたいと

作物は育ち 獣は家畜となり
人々は貨幣を生み出し(―)労働が生まれていく

必要なものを自らの手で生み出して
(彼らは)自然界へ挑むことになる

思考があるからこそ
時の流れを感じるのではなく
考えてしまう(―その)未来を
(その)不自然な姿は歪んだ物を引き寄せる(だろう)
(―)不安と恐怖である

(その時)人々は自然を支配したのではなく(い)
己の内側の欲望に支配される(たのだ)

after

人の手によって生き物が死に絶えていく

人の影響は自然の力に匹敵するのか

生物たちが消えていくことを間近に見続けて
人は何を想うだろう

生命とは自然と変動し
生死が容易く移ろうもの

人々は不変なものを欲し 農業が始まる
作物は育ち 獣は家畜となり

自らの両手により豊かなものを持っていたいと
欲望は肥大していく

争いが起こり
略奪と奴隷が行き交い

貨幣を生み出し
労働が生まれていく

必要なものを自らの手で生み出して
自然界へ挑むことになる

人々は自然を支配したのではなく
己の内なる欲望の奴隷になった

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