ちんすこうりな「女の子のためのセックス」


それは 地図みたい
女の子、ホテル、山手線、出会い、別れ、寂しさ、温もり、東京という、町

人が去っていく、そこに、何が残るだろう

人肌というのか 体温というのか
生々しくて その体という心を 持て余してしまう

誰かが言った「いく」という言葉
あの言葉の行き先は もしかしたら月かもしれない

なんだかそれは 夢に似ていて
人との関りの交わった線が偽れないことの

限りなく温もりを求めた先にあるのは
皮膚の境界線で隔てられていて

優しさという愚かさと
愛しさという寂しさと

虚しさと背中合わせの意味を噛み締めて
生きるなんて ただの行為でしかなくて

意味を剥脱された命は こんなにもあっさりとしたもので
命が生まれる場所と 行く場所があるという ただそれだけのことで

喜びを取ったら 虚しさしか 残らなくて
満たされない心と 寂しい体は
どちらの方が 悲しいのだろう

もうどこへ行けばいいのかわからない
自分がここにいる真実だけ残して

恋について考えてみた
それは憧れで
それは愛しみで
そして怖さでも あって
それは恥じらい 嫌悪と 結び付き
それは釣り合って 揺れる 心と 体と
あなたに会いたい 会える自分でいたいと 願う
全力の 叫び

生と死と性と詩について考えてみた
間にある事実と意味との対岸について考えてみた
少女と女と、少年と男について考えてみた

空を見上げて
旅に出ようと歌う
無垢で愚かで勇敢で
優しくて無力だけど
夢を見ようとした
子どもが いた

美しくて、残酷で、悲しくて、愛しくて、温かいのに寂しい、この世界が
好きだよって、あなたに言ってあげたい




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