4 38 おまけトーク(エモい花火大会)
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詩が生まれ出たきっかけを彼女は覚えていない
心が何かで溢れたのは突然のことで 圧倒的な現象だった
鳥が羽ばたくように 魚が泳ぐように
呼吸や鼓動が自然なように
心に産み落とされた
夜が明けて太陽が昇るように
陽が沈んで星が満ちるように
一列なりで描かれた境目無き空と海のように
境界無き水彩絵画のように
心が世界を描き出した
出逢いの高揚や喜びだけではなく
痛みや悲しみさえも 闇をもって輝きを放ち
言葉が心の中で確かな実感となって
自らの世界を彩る創造に
彼女は魅せられたのだった
孤独から伸べた手のように
より光へと近づいていくための歩みは 頂のない彼方への道だった
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