「ジェームズ・ボーエン」について

「ボブという名のストリート・キャット」


君は僕の宝物

たった一人の友達

出会って最初はこう思ったんだ
君みたいなやつは知らないね
僕にとってはどうでもいいのさ

けれどさ―何故か放っておけなかったんだ

傷ついた君を
誰かを待ち続ける君を

君は僕の宝物

君は僕を待ってくれるたった一人の家族

一緒に過ごすうちに途中から思ったんだ
傷ついた君は―とても誰かに似ているということに
誰かを待つ君は―とても誰かに似ているということに

そうして―僕は気づいたんだ

君は僕自身だってね
君を大事にすることは―僕自身を大切にすることだってね

君は僕の宝物

僕は君と似た者同士

君を大事にして初めて僕は自分を大事にすることを知ったよ
どうか傍にいて
もう君なしでは生きていけないよ

だから僕は願うよ

これからもずっと一緒に生きていこう
君をこれからもずっと大事にしたいんだ

君は僕の宝物

初めて出会えた自分自身

君は僕の宝物

ずっと大切にしたい宝物


「ボブがくれた世界 ぼくらの小さな冒険」


日常の不運を数えるより
今ある幸運に目を向けた方が一日は優しくなる

ユーモアと意志と
我慢強さと謙虚さを持てば
たいていのことはやりすごせる

今感じるべき幸運に目を向けるだけで
機嫌なんてあっという間に変わる

いったいいつまでこんな日々が続くんだろう
そんな時に意外とチャンスは転がっている

それはたいてい 思いもしない形で
訪れるものなのだけれど

信じるかどうかではなく
絆なんだ 結局のところ

君がいるっているだけで
明日を信じられるっていう ことなんだ

だから 今日を 生きていこうっていう ことなんだと
思うんだよね

前作に引き続き 素晴らしい本だった
まるで 映画のようだった


「ボブが遺してくれた最高のギフト」


それは夢みたいな時間

終わったらあっという間
ではなく、終わったら
終わらない物語になる

思い出

安定なんてどこにもなかった
それでも毎日が楽しかったのは
君がいたからだった

クリスマス
寒く、厳しい季節だ
楽しく 賑やかなものではなかった
―僕の場合は。

救いもあった 味方もいた
でも僕は寂しかったのだ

でも今は違う
―君がいる。

諦めないこと、前を向くこと
チャンスを信じて待つこと
それだけさ

うつむいたって自分の足しか見えないんだ

大丈夫
この世の中は残酷で ちゃんと優しい人たちもいる

受け取る喜びもある
与える喜びもある

人生は シンプルに楽しんだ方がいい

人生は残されている
今日の中に


「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」


君は僕の宝物

――路上から始まった物語の主人公にとって。

「君がいないと生きていけないよ」

今も きっと そう

――お互いに。

奇跡は 誰の目にも意外な形で
偶然という姿でやってくる

一人では乗り越えられれなかったことも
二人だったら超えていける

苦しみは一人ではきっと耐えられなかった
だから君がいるんだね

君一人ではきっと大変だ
だから僕がいるよ

二人で一つ

僕は船長
君は副操縦士

僕はボーカル
君はスポットライト

上手くいかないことばっかりだけど
なんとなく頑張っていれば

そんなところに チャンスは あるのかもね

諦めないで 信じていれば
そのチャンスって 掴めるのかもね


「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」オリジナル・サウンドトラック



物語の中で
そして路上で
奏でた歌が

こうしてCDで流れることが
なんだか不思議で

映画が終わっても
不思議と 寂しくなかった

――そうだった

これはまだ
現在進行形で続いている物語

歌は羽根みたい
映画なんて 重たいものではなくて

軽やかに 飛んでいく

そうして
いつか

誰かに届けばいい
傍で見守るように廻る
人工衛星のように


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