詩集2 16 返答詩集2 16 日記詩集2 16 おまけトーク(人に出会うまでの優先順位)



詩集
「地面が近い世界 空が遠い世界」

地面が近くて空が遠いから
花や草が友達みたいに大きい

楽しいことばかりをしたい
我慢なんてしたくない

楽しいことばかりだったら
そうでないことは
誰がやるんだろうね

みんなで知れば
分かり合える
だから もっと楽しくなる

返答詩集
「全ては愛の中に」

命が あるということ
生きているということ

命は可能性が限られた世界にいるだけで
無力さを突きつけられている
手を伸ばそうとも 届かないというだけで
十分に叶わない現実を背負っている

誰かに認められようとも 認められないとしても
生きているという重さは 変わらない

この手が今まで守って
紡いできた 命そのもの

命の時間を削って
捧げた日常という 破片のこと

命が生きている この時空に
愛せるものを 見つけるということ

彼方の中に眠る
愛という名の宝石

日記詩集
「雨の中の夢」

羽根のないこの体が飛べたのは
心に夢があったから

自分には無理だと俯くけど
誰にだって夢はあるもの

夜の闇に消えていった後ろ姿を思い出す

暗闇の中で走る足音が
迷いながら揺れていた

葛藤や孤独や失望が 影のように離れなくても
大地には陽の光が注ぐ

迷いの森に彷徨い 孤独の海に溺れ
縋れる何かを手にして

壁にぶつかり 何度涙を零しても
断崖が続く か細い道を歩むしかなかった

雨に打たれながら

なくしたと思ったもの 捨てたと思っているもの
全てこの大地に眠っている 心の中の砂漠に眠る原石

右往左往しながら明日を描いて
今日を塗り潰して探すこの手が
触れる瞬間を静かに待ち続けている

誰も見つけてあげることはできない
一緒に探すこともできない
輝きに触れられるのはこの手だけ

暗闇に旅立っていった人を思い出す

雨に打たれ 水に飲み込まれて 溺れてはいないだろうか
必死に木にしがみついて 流されてないように
生きている人の苦しみを 誰も見ることはできない

いつだって藻掻きながら
涙で滲んだ世界を信じられなくて
出会えたものを抱えて 探し続けるしかなかった

雨が終わり 夜が明ける空の下で

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