18頁「それは暗闇を照らす灯台のような」




一筋の眩しさを探して
遭難していた これは旅

一筋の眩しさを見つけて
行くべき未来が見えた これは船

誰かの言葉に 今日を生きる勇気をもらった
誰かの言葉に 明日を生きる光をもらった

ここからどこに行けばいいだろう
どこに行けばもっと明るい場所に出られるだろう

船は迷子みたいで
でも頼りなくも確かな眩しさを胸の中に
そうして今日も星を見つけて進んでいく

誰かの言葉に 一人じゃないんだって思えた
誰かの言葉が まるで灯台のようだった

何も言わなくても
何もしなくても
そこに言葉があるだけで

私は確かに生きていく勇気をもらっていた




この先どうしていいか分からない暗い海の中を痛んだ小さな船
(しかも、長旅に耐えられるような道具は満足にそろってない)
先へ進まなければならない「わたしはここにいる」暗闇を照らす灯台
厳密には同じではないとしても、同様の体験や痛みを体験した人が

今までそういう「灯台」たちに幾度となく救われてきた
何度も何度も彼女が書いた文章を読み返していつも力をもらっていた

彼女は確かに生きていて
「あともう少し生きてみよう」という気持ちをくれた

今もひとつ新たに小さな灯台を見つけた

生きるための道は整備された場所ばかりじゃない
途中からいくつもの分かれ道になっていたり
その先は視界が悪くそれぞれどんなふうになっているのかよく見えない
一度躓いて下に落ちてしまうと戻るまでに時間がかかってしまったり
戻れない事もある

そこから先へ進むにはどうしたら良いのか?
もとの場所へは行けるのか?
そうでない場合はどこを目指せば良いのか?
最適な解は?

灯台はなにも言わずにただそこでまわりを照らすだけ
けれどそこに存在しているだけで誰かの気持ちをあたためる
先が見えなくて苦しい人を照らし
次のルートへの手がかりを与えてくれる

そういう力を灯台のような人たちは持っている

点在している灯台の明かりを
定期的に確認しつつ
ゆっくり進んで行こう

この世界はきっと 思っているよりもずっと明るくて
そして 優しい 灯台の光は そうやって
私の心をこの世界を明るく照らしている


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