月詠 詩 「その手を」

待ちに待った「その手を」

幸せのために今日を唄うラプソディー

夜を超えていく 勇気のノクターン

希望と絶望のハーモニクス

音符がないはず詩がメロディーをまとっている

読むだけで脳裏をよぎるアジカンとバンプの繋いだ心音のような

ゆき
それはもしかしたら福音
必死に生きた証

横断歩道は白と黒
希望と絶望が一歩ずつ交差する

忘れていない
でもずっと覚えているわけでもない

色が落ちていく
空も 落ち葉も 華も もう一度 生きるために

始まりの場所 二つ折りの今日
流星雨の反響 涙の温もり

お別れと歩みと勇気を足許で吸い込む風穴が帰る時を待ち続けている
過去が紐解かれて揺れる 両手で編んだ筏を浮かべて明日を想うための薪をくべよう

黄昏色の願いが 希望色の過去が
いつかの光のための約束に 耳を澄ませている

通りすがりの星 零れ落ちた
種夜の隙間の屑 いつかの道標
燃え尽きる日は夜の上 一艘の船

満点の星 けれどもそれは残星の灯火
窓の向こう 映した、蒼 やがて燃えゆく夕陽
燃え尽きずに続く音を探して 荒波をゆく

そうして明日の夜空へと移ろっていく

心と手をつないで 熱を発する身体
宙を流れる河から零れ落ちたような 星のような雨が

いのちを称えている

目を瞑って 近づいていく
宛名のない手紙を綴る
遠くの明日へと投函する

あの日に手を振って 目を閉じて
降り続いている悲しみに
この手を透して 光を届けよう

頑張って生きてくれた その手に

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