寄り添うための詩「女の子と女の人 後編」



それは旅の途中で気づいた
苦しみの変遷を追う
痛みの紀行 記憶の変遷

その絡まりに触れては怖がってばかりいた
なりたくない自分ははっきりと分かるのに
なりたい自分が もはや蜃気楼

気まぐれに移り変わる興味関心がこんなにも簡単に心を傷つける
その脆さがかえって私を臆病にさせる

それが私の全てだと思っていたけれど
旅の途中で出会った小さな女の子が
それは断片でしかなかったことを教えてくれた

私を縛っていたのは 私自身だったのかもしれない

なりたい私へ
そう。それは私にしか決められない。私の行きたい未来だった。

その小さな手を取って 行きたい場所へ連れていくよ
まるで二人三脚 旅はまだまだ始まったばかり
私らしさは誰かに決めてもらうものじゃなかった

過去からの旅路は確かに現在に繋がっている
でも過去が未来の全てを決めてしまうとは思わない
そう。これは旅だから。

これから変わっていく。
この手で変えていくし、この足で、進んでいくんだ。

現代と過去を行ったり来たりして
1つの旅の終わりは同時に新しい旅の始まり
それはいつだってこの手で自身を紐解いていく旅の最中
暗闇だったり迷路のようなそれらはすべて私に戻っていくための手がかり

トンネルから見える明かりのような過去だった
心を照らす灯台のような船は出たばかりの現在だ

そう。これはきっと約束なんだ。
泣いている小さな私の手を、大きくなった私の手が取った時に結んだ、
一つの確信。
旅は続いていく――光のような未来に向かって。



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