しんくわ「しんくわ」

深く 重く そして暗く

彼方の星を 探して

宇宙のような広大な海原を行く
一つの船のように

そんな 人生観が
そんな 詩の世界を 作っていったような気がする

その生き方しか 知らなかった
そんな叫び方しか できなかった

そんな時に 一つの灯台の光に向かっていくのではなくて

もう自分で作ってしまえばいいじゃないかと
陽気に歌う 吟遊詩人のような 本に出合った

密度の濃い小さな箱のような世界を 簡単に飛び越えて

空みたいに広い世界で 思いっきり好きな言葉を描いていく

――あぁ

そういえば そんな生き方が しかったと 思った
そういえば そんな表現でありたいと 思った

正しさを求めているから きっと そうなるのかもしれなくて
ルーツが昔の詩人だから そうなるのかもしれなくて

その重さを抱えて 光を求め彷徨う姿が
一つの正しさだと 思っていた

言葉にする 言葉で遊ぶ

言葉を描く 言葉のままに

言葉って こんなにも広いんだって 思った

空みたいに 自由なんだって 思った

苦しみが変わらないなら
言葉の重さを変えてしまえばいい

そんな世界があると知っただけで

それは 一つの救いのようでした

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