河野聡子「地上の出来事はぜんぶここからみている」


言葉という迷宮を駆け抜ける 詩人の呼吸
視点を読者と共有 共通した言語で突きつけた矛盾
言葉が話せれば分かり合える 動物とも分かり合えない人間が何を語ろう
音を介して言葉は踊る 音は音で絵は絵で交わることなく詩が独り歩き

混沌としたプログレ感は
言葉の区切りを無理やり繋いで引き込んでいく世界観
一つの世界を切り取るそれは写真家 瞳はレンズだから 見たらそれは風景

言葉にしたらそれは詩 意味に囚われ
意味に囚われない 地上と空の間に自由はある

詩が詩であるためにそう時間はいらない
詩人は呼吸をするだけで詩になる

意図という不自然 無意識という自然 調和なのか混沌なのか
意味を探さなくても、意味は自然と言葉が連れてくる

意味と言葉の意識無意識の表裏がまるで偶然と必然
海なのか樹海なのか

飛び込んで 探しに行こうと
どこまでも潜って 誰も知らない世界へ移行する

言葉という世界 意味という 世界
その境目に潜んだ思い込みを引きずり出して衣装をさせて躍らせて

赤は黒と白になって いつの間にか虹色
どの色も 瞳が切り取る世界が 決めていい


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