詩集2 20 返答詩集2 20 日記詩集2 20 おまけトーク(自分らしさを自分で狭めてはいないか)



詩集
「心のかくれんぼ」

ちょっといたずら
嫌がるような いけないこと

怒られるかも でも近づきたい
ちょっと触れていたい

好き
でもそんなこと言わない

言わないだけ

ちゃんと気づいてほしいだけ

この気持ちに

返答詩集
「優しい人」

心ない言葉に傷ついて
自分を守れなかったことに傷ついて

傷つけるつもりがなくても
傷つく自分を感じてしまうことにまた 傷ついて

優しくなれない自分が嫌いになって
自分の嫌なところばかりが目について

優しさが 恋しくなる
心を包み込んでくれる
言葉が欲しくなる

自分を認めてくれる優しさに
救われる気がする

ほんの小さな優しさに
温かなものを残しておきたい

心が受け取った温かな胸の奥を
忘れたくなくて

優しくしてもらえたように
誰かに手を差し出してみる

優しさの余韻の中に
生きていたくて

日記詩集
「あの空とこの木」

木に座り込んで 寄りかかる
空を見上げた瞳は 優しく微笑む空の色

空を背負ように 立ち尽くす
影を見下ろした瞳は 泣きそうな揺れる影

雲の影と自分の影が交わる

影は自分の過去
光はこの手が捨てたはずの未来

信じても無駄なのかもしれない

みんな自分のことしか考えていなくて
信じても裏切られるだけ

世界は残酷だから
信じても傷つくだけ

裏切られないように 傷つかないように
自分を守るために 信じることをやめるだけで

生きることはこんなにも簡単になるのに
心が苦しいのはどうして

信じないから裏切られることもない
手を伸べないから触れることもない

なのに幸せから遠ざかる気がするのはどうして

どうして信じられるのだろう
何度傷ついたら気が済むのだろう

裏切られるかもしれない
信じても無駄かもしれない

この世界も 目の前の人も 空も
何一つ手に入らないもの

自分にはどうしようもないから
信じるしかなくて

信じたいから
信じることを選ぼうと思った

選ぶことはできたから
苦しくはあっても不幸ではなかった

楽しいことは少なかったかもしれない
生き方を決められる幸せを 信じている

雨が歌うように終わる

顔を上げて
見た空に差し込む光が

眩しくて きれいだった

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