第一篇 「余韻―その歩みが終わる時」

 走ろうとしても 想いが絡まって

思うように 踏み出せなくて

見上げれば 空は果てしなく 青くて

空の彼方から 溢れた想いが―落ちてくる
光り輝いていた――色褪せた宝石が……

手に触れて 閃いて 翻って 本当は嘘になる
だから嘘も―本当になる

時にはそれは裏切りになるくらい残酷で

信じようと勇気を振り絞っても 伸ばした手は傷ついてしまう
痛みに手を引っ込めて 滴が零れ落ちてしまったから

もう――取り戻せない……

歩みが――止まってしまった
時が止まるように それはまるで――夢の終わりのように

もう何も見えない……
星が消えてしまったから

こんなことになるのなら
最初から信じなければ――よかったのに……

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