宮沢賢治「銀河鉄道の夜」

宇宙の星を見ただけで

そこには草原があって 川があって 町があって
その一つ一つが駅で 場所で 思い出で
鳥がいて 光があって 歌があって

音楽がある

それはそれは 美しい世界で
こんな素敵な世界を 言葉にしてくれて
ありがとうって 思った

出会いがあって 別れがあって
次から次へと風景が変わって行って
まるで星の王子さまみたいだなって 思った

冒険って 楽しいことだけではなくて
知ったらもう 知る前には戻れない
いつだって 戻れないものを引き換えにして
進んでいる

繋いだ手と 繋がらない思いに橋をかけよう
一緒に渡れるように 同じ景色を 見られるように

生きていることと 死んでいくことと
生きてしまうことと 死んでしまうことと

夢を見ることと 星を見ることと
何が違うだろう どこで 交わるのだろう

色んな風景を見てきた 夢だったかもしれない
ここに一緒にいた人は 本当はいなかったから

こんなに孤独な世界で どう生きればいいだろう
見上げた空は 突き放すくらいきれいで
そんな思いを飲み込んでいくようで
ここが そんな場所だったと思い出した

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