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【詩】シーツのおばけ

過炭酸ソーダがすき。
カレーや墨はたのしい。
血となみだはちょっとにがて。
抱きつくときはいつも肩から。
出会ったころから決めたおやくそく。

あつくもなく、さむくもない。
そんなぼくを好きだという。

汗は優しくてすき。
次亜は憧れのままでいい。
クエン酸とはあかの他人。
ぼくもきみも穴が開いたら買いに行く主義だから、
財布にやさしいね。

おもくもなく、かるすぎない。
頭をなでて おやすみなさい。

おひさまはきみを思い出す時間。
アイロン待ちはちょっと恥ずかしい。
おふとんとは友達だから さみしくないよ、
きみの話もよくするんだ。

こん、しろ、あお、くろ、みどり。
時間をかけて選んでくれた ぼくのふく。

買い換えた日のきみは とてもはやく眠りにおちるから、やさしく包んだ。

おばけなのに、冷たくなっていくきみの夢をみた
あらしの夜もあったけど。
朝になったらお互いに「ばかだなあ」と
笑いあって晴れの下、きょうもきみのそばにいるよ。

過炭酸ソーダがすき。
カレーや墨はたのしい。
血となみだはちょっとにがて。
抱きつくときはいつも肩から。
出会ったころから決めたおやくそく。

朗読動画、製作中。

しばらくお待ちくださいませ。

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