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コラボ公演を終えて(報告書)

共演者への思い

まず何より4ドルメンバーとコラボメンバー
への尊敬が無限。∞

4ドルは名前しか知らなかった。
アイドルみたいな劇団?とか思ってた。
けど、全く違った。
強烈な個性の集合体で、肝が座ってて、
個々の能力が非常に高い。
恐ろしい劇団だった。

コラボメンバーは
これは同業者として凄いなと思うけど
特殊な劇団同士のコラボ公演で
俳優力と人間力を使い切って
確実に作品に貢献する
職業俳優としての魅力に圧倒された。

コラボ公演の意味

コラボ公演自体には
どんな意味があったのか?
当初はあまり考えてなかった。
単純に4ドルと柿の殴り合いだと思ってた。
コメント動画でもそんなこと言ってた。

結果、コラボをして
くっきりと見えたのは劇団の輪郭と誇り。
それを強く感じられたのは
すごく良かった。すごく。

柿喰う客の演劇はコメディーなのか?

柿喰う客は
案の定、変な劇団だったということだ。
普段どっぷりと浸かっていると
その温度の異常さに
気がつかないんだと、
当たり前のことをしみじみと思った。

4ドルメンバーがインタビューて
この2作品を「コメディー」だと
言っていたけど、
個人的には既に
そこから価値観が違った。

確かに、笑えるシーンもセリフも多い。
キャラクターもよく考えれば、、、
変だ。
特に、柿喰う客の俳優は
率先して、破壊的な演技プランを
チョイスするし、
役割としてもコラボ公演のなかで
通常運転で「悪ノリ」を徹底した。

が、「コメディー」だと思ったことは
一度もない。

ということに気がついたこと自体に
自分自身が一番驚いた。
コラボ公演ありがとう。
感謝永遠に。

アフタートークでは話せなかったけど、
「コメディーだと思わないんです」
と言ったとき
「じゃあなんだと思うのか?」
という質問にすぐに答えられなかった。
「10分ください」
とお茶を濁したけど、
本当になんと定義すればよいのか
分からなかった。

所属している劇団なのに。
それからずっと公演中も考えていた。
なんなんだ、この演劇は?と。

獲物を確実に狩るための罠

結論から言うと
柿喰う客の笑いは「罠」
じゃないかな?
という考えに至った。

今回で言えば、
『アセリ教育』も『学芸会レーベル』も
教育に関わる作品で、
子供に対する親と社会の在り方
だったり、愛であったり
メッセージとしてわかりやすいものかもしれない。

僕が「罠」だと思うのは
お客様の読後感というか、
観劇後感に強烈な印象を与えるために
「笑い」が
用意周到に
お客様を捕獲する網(メッセージ)まで
きれいに並べられているからだ。

撒き餌のように。

笑いという餌を食べていく、
すると目の前にまた餌があるから食べていく…また…また…
これが繰り返されて、カーテンコールには
すっかり作品に捕らえられている。

これは僕が柿喰う客の観客だったときから
ずっと。

だから、純粋な意味で
「コメディー」だとは言えないんだと
直感していたんだと思う。
全ては巧妙に仕組まれた「笑いの罠」
だった。

フィクションの世界へ

それも全て
フィクションへ誘い込むことが
大前提にある。

演劇って何から何まで嘘だ。
と言ってしまうと聞こえが悪いんだけど。

けど、フィクションでしかない。
だってそもそも教育2部作だなんだいっても
お客様が足を運ぶのは
学校でも幼稚園でもない。
劇場だ。

劇場空間には
椅子が沢山あって、沢山の人と肩を並べて
作品を観る。
舞台セットはある時もない時とあるけど、
本当に学校や幼稚園を
劇場には作れない。

キャラクターだって実在しなければ、
俳優にはキャラクターとは別の
プライベートや名前がある。

あの空間は
お客様と僕たちの共犯関係によって
成り立つ
フィクションの魔法だ。

そのフィクションに疑問を持たせないように、関心を持って
心を開いて貰えるように、
笑いという罠や
身体表現や
感情がパーツとして
演劇を構成している。

僕の罠は美味しかったのか?

いや、まあ、美味しかったらいいな。
というのが率直な思いというか
願いというか、
もはや祈りに近い。

ただ個人的には、手応えを感じた。
それは今まで柿喰う客で培ったものを
出せたという喜びでもあるし、
先輩を見て学んだことに
挑戦した結果でもある。

ちょっともう個人的な反省だけどね。
今回新鮮だったのは
普段やらない笑いを担当させてもらえたこと。狂言回し的な役割をできたことだ。
の2点。

それは今まで劇団の先輩がやってきたことだ。技術も経験も豊富な先輩方が、
作品の支柱としてやってきた役柄だった。
そこをやらせて貰えたのは
幸せの一言に尽きる。

そして大変さも身を持って知った。
知ったうえで、やはりそれは
楽しいものだった!
終わってみればその大変さも
最高に喜びに溢れたものだったわけだし、
まだまだできることがあると
思えたことが
最大の収穫だ。

この小さな達成感が
次のステージへのモチベーションになるし、
これからも走り続けられる自信になる。
これに関しては感謝以外ない。

観てくれてありがとう。
笑ってくれてありがとう。
挑戦させてくれてありがとう。

最後に

アセリ教育では
反面狂四郎

学芸会レーベルでは
りゅうのすけくん

どちらも魅力的な役でした。
その魅力を最大限表現できてたらいいのだけど、
まだ俳優として進化できるし、
なりたい自分がいるから
きっと次やったらもっと
魅力的な役に仕上げられると思う。
と、信じてる。

現状では昨日までがベストだったはずです。
だから、次お会いするときは
もっと素晴らしい作品を
届けられるように精進致します。

応援して頂いている皆様には
これからも素敵な演劇や作品と出会えることを。
そしてこれからも応援してもらえたら
それに勝る喜びはありません。

加藤ひろたか

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