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AZUKINGさんに捧げる感謝状

ポコポコって。

ポコポコキッチンがオープンして4ヶ月。企画も、開店準備も、間近で見てきたのに「私にとってポコポコとは」というお題をもらってからもう3週間も形にならない原稿なので、混迷を極める覚悟で、以下続く。

ポコポコは、 Do = ポコる

ポコポコキッチンは、「まかない処」。
まかない処は 作り手のエネルギー供給所。

食だけでなく、作り手の「もういっちょやるか」的なモチベーションとか、「なんとかしてみせるぜ」的なプライドを補給させてくれる場所だと思う。

それは、シェフの石丸氏が人懐っこくてイケメンだからとか(重要なファクターではあるが)だけではなく。

誰かが作った紙のお花(ポコポコ)を、壁に植える
アーティストがデザインした葉っぱのお金(ポコポコ)を、切り抜く
収穫した蕎麦の実を、脱穀する
収穫した小豆を、選別する

前工程の作り手から受け取り、自分も作り手になり、作ったものが誰かに手渡される

その流れが見えるから、リレーの中の一人として作ることの楽しさや責任、面白さを再認識させてくれる。

そうやって、ここにではみんながいつのまにか ”なにかを生み出す人“ になるから、ポコポコの会員証を手渡す時に石丸氏がいう、「こちらの世界へようこそ」は、作り手ばかりの、創造性溢れる世界にようこそ、ってこと。

おそらくはクリエイティブ、のほうが馴染みがいいだろうけど
そんな高級なハイセンスなものではなくて。

たとえば リンゴジュースが飲みたくて募ポコ箱のポコポコを使った小学生が書く御礼の手紙。

ポコポコを寄付するBOXがあって、子どもたちはそれを使って飲み物を飲むことができる

その手紙だって、募ポコしてくれたどこかのオトナを思いながら書いた創造性の産物でそれを読んで「よかったね」 と思う別のオトナがいて。
また誰かが葉っぱのお金を募ポコ箱に入れる。

どこかのオトナが入れた葉っぱのお金は、リレーから循環になって、誰かを嬉しくさせる。

そんなちびっこ天才創造者たちは、オトナのマネをして小豆を選別し、大豆を挽いて黄粉を作る。

別の循環の輪に自然に加わり、それを見守るオトナ達が「春になったら何植えようか」と相談が始まる。

私にとって、ポコポコは、「する」 = Do

ポコポコの流れのどこかで誰かから受け取ったなにかを、誰かに渡す という行為全般。

ワンストップや効率化から対極の、限りなくアナログで、アタマで考えるとめんどくさいことなのに
Doすると 「よし、やるぜ」 と思わせてくれる。

循環が見えることで自分の役割や貢献を認識できるって素晴らしい。

当たり前すぎて見えなかった何かに気づいた時、人って誰かのために行動を起こしたくなる。

・・・人間は社会的動物だって言ったアリストテレス、すごいね。

ポコポコってそういう場所。

「やってるよ。」の看板がいい

ちょっとマニアックな話になるけど、私はキッチン入口の看板が好きで。
ベニア板に白ペンキ塗って、青ペンキの手書きで「やってるよ。」って書いてある。

しかも表だけ。裏はペンキも塗ってない。

営業してない時は、裏側に「買い物行ってます」 とか手書きのポストイットが貼ってある。

キッチンにはいないけど、ポコポコの流れのどこかにいるよ、ってことだと勝手に思っていて
CLOSE、じゃないのがとてもいい。

葉っぱのお金を大切に保管している人も
来週のランチを楽しみにしている人も
こうやって文章を書いている私も、
どこかで何かの生産活動をしていて、それがどこかの輪と繋がってる。

さて。 

ここまで読んで よし!実際にポコポコしてみるぜ! と思ったあなたは
生み出す、というDoに興味があると思うし、生み出す人というBeを体現できる。

ぜひ、のれんをくぐって 「こちらの世界」 でご一緒しましょう。


2022年2月 冬季休業中のポコポコキッチンにて
Hiromi Hashimoto 

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