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【note商店街】気まぐれ写真ギャラリーぽこねん「感謝パーティ!」

おやおや。いつもはひっそりとしずかなギャラリーぽこねん、今宵はなんだか盛り上がっているようですよ。

ドアに貼られた紙には「くだもの収穫感謝祭&note商店街ありがとうパーティー」の文字。ええ、気持ちはわかりますが、店主のネーミングセンスはもうちょっと磨いてほしいところです。

まあまあ、ちょっと寄ってみましょうか。

コロン、コロロン。

あいかわらず愉快な音のドアベルですね。

「こんばんは。ええと、ただ通りかかっただけの者なんですけど、大丈夫ですか?」

「は〜い、どうぞどうぞ!大歓迎ですよ。ここnote商店街へあそびに来てくださった方なら、どなたでも。なんたって今夜は、そう!大感謝祭ですからねえ!」

あらあら、店主、 今日はすでにほろ酔いのごようす。いつにもましてよくしゃべります。

「いやあ、ねえ、お客さん。今夜は実にいい夜ですねえ。ほら月もこうこうと照っていて。きれいですねえ」

「ははは、店主さん、酔ってますね。ええでも、なんだかみなさん楽しそうで。いい顔をされてますよ。わたしも立ち寄ってよかったです」

「いやあお客さん、私はねえ、うれしいんですよ。短い期間だったかもしれないですけどね、この商店街に小さなギャラリーをかまえさせてもらったことが、そりゃあもう、うれしくてねえ」

そういえば、note商店街は9月で閉店するのだとポスターで見かけました。今日はそれもあっての「ありがとうパーティ」のようですね。

ほろ酔い店主があまりに勢いよくしゃべるものだから、ちょっとおとなしく聞いてあげましょう。ひとの話を聞くの、けっこう好きなんです、わたし。

「だってねえ、ひとりじゃ、ぜったい思いつきもしなかったり、やろうと思わなかったことにチャレンジしてみたりねえ。 商店街の仲間もですね、みなさん個性的で、いろんな方向に自分の世界を持ってる方ばかりで、ほんとうに、刺激をもらっていたんですよ。ねえ。お客さん。そうしてお客さんみたいに、商店街ができたことで、ふらりと遊びにきてくださる方がいらして。もうね、わたしは、ほんとうにうれしいんですよ」

「ええ、ええ」

「そりゃ生きてりゃいろいろありますからね、なんだって、移り変わってゆくものですからね。こうしてnote商店街がひとつおわるのも、だれかの新しい門出だったり、いろんな変化のひとつとして自然なことだと思うんですよ。ねえ、お客さん、聞いてます?

あっ、いまちょっとめんどくさそうな顔したでしょう。え、してない? まあいいから聞いてくださいよ。私の好きな言葉に、“Every ending is a new beginning.”ってのがあるんですよ。 『どんな終わりも、新しいはじまり』、ってね。ちょっといいでしょう? ほんとうにそうなんですよ。

やーほんとうに、いい夜だなあ。みんなね、思ってますよ。この商店街があって、確かに何か、新しい世界につながったなあって。お客さんも、商店街メンバーも、みんな。

だから今夜はね、どっさり採れたくだものも、数年前に仕込んだ果実酒も、いろいろありますからね、どうか、楽しんでいってくださいよ。ありがとうnote商店街、ってね。ほんと、ねえ、お客さん。あなたと出会えたのも商店街のおかげですよ。 さあさあ、たらふく食べて呑んでいってください!」

ふふふ。店主、熱くなっていますねえ。

日中のギャラリーで見かけたときは、ひょうひょうとしてつかみどころのないひとだと思っていたけれど、意外とこんな一面もあるのですね。まあなんだか、楽しそうでよかったです。

* * *

「そういえば、今日は写真だけじゃなくて、絵や詩も展示されていますね」

「ええ、そうなんです。そりゃあ今日は特別な日ですからね、みなさんの素敵な作品もちょっとお借りして、今晩だけ飾らせてもらってるんです。

あの雰囲気のある鉛筆画は、鉛筆画ギャラリーストロベビーさんの。その隣の漫画とイラストは、少し不思議な漫画やさんと、とても小さな素材SHOPさんのです。あの建物の絵は、ハニホヘ不動産の一押し物件なんだだそうですよ。え、あそこにつるしてあるくだものの刺繍ですか?あれはうたう仕立て屋“La Strada”さんのですよ。かわいいですよねえ」

「こっちには、詩も展示してありますね」

「そうそう。あの柱のところにあるのは言の葉屋さん『sai_hate』さんの詩です。ええ。秘密の空き地行ったことあります?それはそれは。それでこっちはね、BAR物語詩さんの詩で読む物語。今日は果実酒ももってきていただいているんで、お酒片手にじっくり味わってくださいよ。その隣には、心に寄り添いたい詩い屋さんの詩もありますよ」

「なるほど、今夜はみなさん勢揃いでのパーティなんですね」

「ええ、ええ。あそこのテーブルに小冊子がたくさん並んでいるでしょう。あれには商店街の読み物をまとめてあるんです。Book Cafe キッチンタイマーさんやスピカ商店さんのエッセイ、純喫茶でくのぼうさんのおすすめ映画コラム、甘水・ブック・セレクトショップさんの小説、旅乃屋 a:kumoさんの長崎紹介もありますよ。

ほら、横のソファでお酒片手に読みふけっちゃってるひともいるでしょう。好きなように過ごしちゃっていいんですよ」

あらあら本当ですね。すっかりくつろいで、何やら没頭して読んでいますねえ。わたしもあとで、じっくりのぞかせていただくとしましょうか。

「ちなみにね、テーブルの上のやまもりのくだものは、アトリエTano yasuhisaさんの裏の畑で収穫されたものなんですよ。いや、採れたてって格別なんですねえ!もうみずみずしくって、おいしいのなんのって。

あ、テーブルの上のお花たちですか?そうそう、いわし園芸さんのです。え?よく通ってました?わかります、店主のおしゃべり楽しいですものねえ。

いやいやしかし、酔っ払ってるとついついしゃべりすぎちゃいますねえ。もう年ですかねえ。ほらほら、くだものどっさりのスイーツたくさんあるので、どうぞどうぞ。これはおいしいと評判のおやつ堂さんの特製ですよ。

あ、ところでさんのさーん!追加のおつまみできました~? お客さんも、ぜひ食べてってくださいね。ダイニングバーyoruのおつまみ、もうこれが、べらぼうに旨いんですよ」

ふふ。突然バックヤードの方を振り向いて大声を出すから、何事かと思ったら。あ、でも本当にいい匂いがしてきましたよ。あとでゆっくりいただくことにしましょう。

「そういえばぽこねんさんの写真も、今日はくだものですねえ」

「ええ、まあわたしのは雰囲気を出すための添えものみたいなもんなんでね、さらっと見ていただければいいんですよ。はい、BGMみたいなもんなんで。おいしいもの食べながら、気楽にね。

あっ!BGMといえば、ずうっとかかってるこの曲、いいでしょう?気まぐれ音楽屋さんのオリジナル曲なんですよ。いやあ、素敵ですよねえ」

「確かに素敵ですね。いやあ、いろいろお話ありがとうございました。なんだかとっても楽しいパーティに来ちゃったみたいで。嬉しいです。それじゃあ、ちょっとおいしいものつまみながら他のひとともお話したり、いろいろ読んだり見たりしてきますね」

「ええ、ええ。いやはや、つい長くお引き止めしちゃってすいません。あ、今日は占い屋のnullさん、特別にくだもの占いをしてくださるみたいですよ。最初に選んだくだものでどうとかって……。あ、これは先に言わないほうがいいんだった。なんでもなーい、ない!では、また〜」

あはは。店主がおっちょこちょいなのは、酔っ払っていてもいなくても変わらないですね。

さてさて。ふらりと立ち寄ったけれど、寄ってみてよかったなあ。この場所に生まれてきたものたちを、じっくりと、ひとつひとつ味わっていきましょうか。

まだまだ夜は、はじまったばかりですから。

(おわり)


↓ギャラリーの一角に展示された、ぽこねんの写真たちはこちらです。え?季節外れのものが多いのは、ご愛嬌ということで……。まだまだ暑いし。笑

ご来場ありがとうございました。

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P.S.
商店街メンバーのみなさま。以上、勝手な妄想を繰り広げておりすみません!これはあくまでわたしの脳内妄想パーティーなので、どうか笑って許してやっていただけたら嬉しいです。

note商店街という場を発案し、用意してくださったオウェノさん、出会ってくださった商店街メンバーのみなさん、遊びにきてくださった方ひとりひとりへの、心からの感謝を込めて。ありがとうございました!

またそれぞれの場所で、笑ってお会いしましょう。See you :D


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※「気まぐれギャラリーぽこねん」シリーズの過去作品はこちら

自作の本づくりなど、これからの創作活動の資金にさせていただきます。ありがとうございます。