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『みえないところで』 てくてく通信+🎈 #62

こんにちは、英会話Oneのただともこです。読む瞑想マガジンへようこそ。
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あなたの毎日の底に静かで気持ちのいい音楽が流れますように。


みえないところで

仙台の西公園では桜が咲き始めました。ほんのりピンクになった木々の枝のてっぺんで開花した桜が春の到来を告げています。皆さんのところはどんなですか?

さて、この2週間で、たくさんの国がロックダウン(不必要な外出禁止)状態になりました。私は英語で情報を摂取しているし、根が心配性なので、皆さんよりたくさんの情報を受け取っていると思います。時々来る、外国からの便りは、今、隔離されているのだけど、そっちは大丈夫か?というものが増えました。ヨーロッパはもちろんブラジルまでロックダウンが進んでいるようです。その中で、日本は、不思議なほど、感染者数も、死亡者数も伸びていないし、増加グラフのカーブは緩やかです。でも、皆さんの中にも、不安を抱えている人がいるのではないかなと思ったので、今日は、そのことについて書きます。

昔、吉本ばななさんの小説「ハチ公の最後の恋人」という小説を読みました。その一節に、インドの山奥では、たくさんの僧が世界の平和のために毎日祈って暮らしている。世界は実はギリギリのところで平衡を保っていて、その平衡を保つために、毎日祈りをささげて、世界を浄化しているのだと書いてありました。世界にはいろんな人がいるのだなと思ったし、このことは案外本当のことをなのかもしれないと思いました。主人公は、この祈りの集団に一生を捧げるために、日本を離れ、恋人や友達に別れを告げるのだというのが、小説のあらすじでした。

真偽のほどはわかりません。でも、私はばななさんが取材でインドに行ったことを知っています。そして、実感として、世界の中には、毎日祈りをささげることを仕事としている人がいる感じがします。だから、私はこれを真実として受け取ることを選びます。世界中に、たくさんのこの小説に出てくる主人公のような人たちがいて、信条は違っても、毎日祈って、瞑想して、世界をきれいな場所に変えることで、世界平和に貢献している人たちがいるという、夢物語みたいなお話を信じることを。

そんなに判りにくくなくても、例えば、霞が関の大勢の長時間労働をする官僚たちは、日本がよくなっていくために、毎日、力を尽くしています。その人たちの顔は見えてきません。でも、毎日働いています。トップの言動はあんなに不確かなのに、日本の状況は最悪な状況に至っていません。そのためには、官僚だけでなく、顔の見えない多くの人が、働いているはずなのです。日本の、そして、世界の平和を願って。

または、病院に従事する世界中の医療関係者たち。検査する人、診断する人、ケアする人、治るのを助ける人。心理面を支える人。これらの人々は、この事態に対処するために、身の危険を冒しながら、病に倒れた人々を助けています。今、世界中の医療従事者のために、隔離された人たちが、毎日決まった時間に外に出て、拍手を送る行為をペルーでも、イタリアでも、イギリスでも、行っています。この人たちの日々の努力や働きも、こんな事態にならなかったら、なかなか目に見えないです。

私は、長いこと、世界が少しずつ良くなってきている、時代とともに人々は学びを得て、よりよい世界を実現してきているということを信じられませんでした。今でも、何かあれば、すぐに戦争が起きると思っているし、世界がひっくり返るのをびくびく恐れています。それは、私の生い立ちにも深く関係があると思います。でも、今回のことが起きて、たくさんの人たちの助けを得て、毎日を過ごしているうちに、もしかしたら世界はとてもよい場所に変わってきているのかもしれないと思うようになりました。

私たちは、今、人類史上初めて、リアルタイムで疫病が広がり、それに人々が対応するのを体験しています。それは、不安や焦燥感や不自由さや落ち込みを体験するものでもあります。その一方で、とても大きな親切や助け合いや工夫を体験するものでもあります。そして何より、誰もが、世界が安定して続いてほしいと願う気持ちに立ち返るものでもあります。学校にいけないことがどれほど窮屈なことなのか、世界中の子供たちと親たちが体験しています。普段の生活が脅かされることがどれだけ恐怖を伴うことか、不自由なものか、全世界の人がまさに体験しています。

その世界の共通の敵はなんと疫病です。それが世界を二つに分ける戦争じゃなくて本当に良かったと思います。このことに、誰もが、取り組んで、手を取って助けあえるからです。今、誰もが、自分だけが助かろうとはしていなくて、ちょっとずつ力を出しあって、みんなでよりよい世界を作ろうと努力しています。それは、具体的には、あんまり外に出ないことだったり、うがい手洗いをすることだったり、買い物を手伝うことだったり、不安な中お互いに声を掛け合うことだったりします。そうやって、ちょっとずつ力を出しあって、お互いを助け合う取り組みが世界中で同じようにたくさん見つけることができます。

例えば、皆さんも、今、自分が不安になって、会社が大変なことになる中、いつもより、ちょっと親切になっていたりしないでしょうか。誰かを心配して声をかけたり、情報を提供したり、ちょっと何かを手伝ったりしていないでしょうか。たぶん、皆さんがそれをやっていると私は思うのです。やらざるを得ないような状況になってきているからです。

今、私たちは、最初に書いた主人公が行った集団の修行僧のように、少しずつみんなが世界が平和になるように、祈るような役割を担っているのだと思います。具体的には、誰かを助けたり、なるべく外に出ないことだったり、手洗いうがいをしたり、自分の健康を保つことだと思います。そういった、普段何気なくやっていることを、今は、特に意識して、これ以上感染が悪化しないように、お互いを助け合うという行為を通して、世界の平和を願っているのだと思います。それを意識してやることは、とても大変で、疲れることだと思います。でも、それと同時に、とても心温まる行為だとも思います。自分だけが助かろうとする世界では、この祈りの行為は起きないからです。一人ずつがちょっとずつ力を出して、祈りの行為を続けているように、私には見えます。

日本を含め、世界中の国の政府も、その国の一番の力を出し合っています。足りないところも、至らないところも、利害が一致しないところも含め、だれもがその人が一番よくできる何かを見せています。こんな風に、その人や国の為人(ひととなり)が、良く見える状況に世界が面している状況になったことがあったでしょうか。それは、みんなが少しずつ何かを出し合っているちょっと理想のような状態を作っていると私は思います。

もちろん、世界には、不安から来る怒りや、羨望や、恐れもたくさん渦巻いています。でも、河原で元気に遊んでいる子供たちにはそれは届きません。彼らは今この瞬間に生きているからです。同じように、私たちも、今この瞬間を生きることで、その不安から逃れることができます。この戦いはとても長い不安との戦いです。感染症の特効薬ができるまで1年以上の時間がかかるといわれています。誰も、どうやって、この事態が収まっていくのか、わかりません。経済的なダメージは計り知れないです。でも、だからこそ、みんなでちょっとずつ力を出し合って、助け合って、この状況を乗り切れたらいいなと思います。そのことで、皆さんとの絆が少し強くなるとさらにいいなと思います。

全ての病気が何かをもたらしてくれるように、このウィルスも私たちに協力をもたらしてくれているように、私は思います。こんな風に世界中が連帯して、何かに取り組んだことがいまだかつてあったでしょうか。ひとつの特効薬が世界中の人を救うのです。ひとつの仕組みの開発が、世界を救います。どうか、この長い戦いの間、皆さんが、お互いに助け合う気持ちを忘れないで、終わったら、それぞれがよりよい世界を見つけられるようになっていることを私は祈ります。不安になったら、ぜひ、教室にお越し下さい。医療的な知識は教授できませんが、私がどうやって世界を見ているか、それをお話しすることはできます。緩やかに、この状況を乗り切っていく力が一人ずつの中に宿ることを祈っています。


ちょっとしたおすすめ

私のコロナ対策
心配性の私は、かなり今回のことで悩みました。
でも、実際にできることは少ないなということに気が付きました。
もしかしたら皆さんの役に立つかもしれないので、
実際の対策を書きます。

1. 買いだめをしておく。
不必要な外出禁止になったり、自分が感染して隔離されたり(この場合2週間)した場合に備えて、少しずつ買い出しをしておきました。具体的には、もちを冷凍したり、缶詰、豆類、乾燥した野菜、果物、炭水化物、レトルト食品、お菓子などを買いました。まだまだ仙台は感染者が少ないので、あまり必要はないかもしれませんが、万が一の時のために少しずつ買い足しておいて、スーパーに負担をかけないのはいいことかもしれません。これが杞憂だった時には、皆さんで、買いだめしたものでパーティーをしましょう。

2. 現金を下ろしておく(生活費2ヶ月程度)
世界的な恐慌が来るかもしれないとも言われています。これも、世界中で、きちんとした政治が行われれば、避けられるかもしれませんが、世界全体で、経済が一時期衰退しています。何かの時のために、少し現金があると私は安心だなと思ったので、下ろしておきました。これも、杞憂であることを願います。現実に恐慌がきたら2ヶ月分では、全体は救えないですが、一時期をしのぐことはできると思います。これも、無理のない範囲で、銀行が破綻しないように、できるといいです。

3. 常備薬の確保
薬を飲んでいたり、病気がある人は、仮に2週間自分が隔離されても、生き延びられるだけの準備をしていて損はないと思います。現実に急にかかってしまったら、誰かに薬をお願いすることはできると思いますが、できる準備として、薬を確保しておくことは可能です。

以上私が考えた三つのことが今できることです。
皆さんなりにアレンジしてお使いください。
それ以外のことは、あまりできないなというのが、
私の感想です。
そして、準備できないことは心配してもしょうがない。
だから、準備を万端にしたら、
今を楽しもうと思います。

皆さんが、少し緊張しながらも、
この事態を協力して乗り切れることを祈っています。


編集後記

ノルウェー語の勉強とRisaさんのいる状況を確認するためにノルウェー語のラジオを聞いています。その中で、ノルウェーがロックダウンした2日後、首相と教育省大臣と家族・子供省の大臣が、子供たちからの質問に答える記者会見があって、それはネットで見ました。様々な補償がされながら、安全に、安心して、この危機に対応できるように、北欧の国はとても大人な対応をしています。子供にもそのように対応しているのを見て、とても心が温かくなりました。これは北欧の良いところです。そんなものが見れてよかったなと半分もわからないノルウェー語ですが、思いました。この危機は実際の病気より、人々の不安にいかに対応できるかが問われているのだと思います。それは個人でも同じです。のんびり乗り切れますように!

(初出:2020.3.28)



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