【08】蛇行
パスをもらってから一ヶ月間が空いてしまった。へへ。
前回の記事は久々に再発した腎盂腎炎で得た休みの日に布団の中でそのほとんどを書いた。
数年ぶりの持病発症と引き換えに良いお医者さんを見つけて、ひとまず今の住所での腎内科探訪は落着した。
点滴や採血のとき、大体血管が細くて失敗される。
取り直しはもう慣れたものだけど、うまく針が入らなくて血管が破裂すると内出血が酷いことになる。抗生物質の点滴が漏れると重たい痛みとともに黄色や緑になるのは今回初めて知った。
いいのか悪いのか高熱にはだいぶ耐性がついてしまって、眠るでもなく休むのは暇なのでAGT(America's Got Talent)をずっと見てた。
月並みな感想だけど夢があっていい。
こういう場で才能を認められて、その才で生きていける人がどうか一人でも増えてくれたらと思う。
Courtney Hadwinをここで知って、すっかり彼女の魅力に惚れてインスタもフォローした。予選の動画見て欲しいな〜オリジナル曲のPretty Little Thingもいいんだ~
魅力。
理屈抜きにすごい!と屈服させられるような、言語化し難い強い引力を感じる時がある。
「鳥肌が立つ」とはよく聞くけど、私の場合、こめかみや首筋にブワッと血流が巡る体感がある。
その感覚は一瞬で引く時もあるし、ぞわぞわと立て続けに襲いかかってくることもある。Courtneyの歌声はぞわぞわのぞわ。
この感覚のことをフリソンって呼ぶんだって。
おかわりちゃんは感じたことある?
おそらく初めて体感したのは、大阪で開催されたアコギな夜で初めて聞いた、ともえさんの歌声。
ちろっと調べたら聴覚に結びつきやすい感覚なんだって。
音だけではなくて動画や漫画の演出、目の当たりにしたクリエイティブにフリソンを感じたこともある。
前職のデザイナーの先輩に、「クリエイティブな職種の人間には、感覚が正解に合致していくパッションのタイプと、とにかく考え抜くロジカルのタイプの2種類がいて、私はパッションのタイプだから、うまく技術を教えられないかもしれない」と伝えられたとき、私はこの世界でやっていけないのだと思い知った。
めちゃくちゃ論理で生きていると憧れていた先輩がこの世界では全然感覚側の人間だったなんて。
ばりんズギャンと気持ちが砕け散って、デザインだけで食べていくことは諦めて趣味にしてしまった。
趣味のひとつて言ってもいいかも。髪を染めることが好き。
ものすごく派手髪にしたり全頭ブリーチとまではいかないけど結構な頻度で髪色を変えている。
大きな決まり手がなく美容室を転々としていたけど、最近何度かお願いしている美容師さんはロジカルの人だと勝手に感じている。
施術中に今こういう薬剤をかけてて~なんてカラーもパーマもめっちゃ化学だもんなーと私程度にもわかるように教えてくれる。
つい先週も髪のメンテナンスに行って、他愛もない話をした。
「車の自動運転技術が導入されない大きな理由ってなんだと思います?」
「えーなんでしょう、」
「AIの学習の部分がネックらしいですよ。例えば事故を避けるときの判断基準。車に乗っている人と歩行者、どっちを助けるかを"決めて"学習させないといけない、みたいな。」
「あー」
「アンケートをとると大概運転席に座っている自分が犠牲になるって答えるみたいですけど。じゃあそれが学習された車に安心して乗れるか、そしてそれが売れるかって話なんですよね。」
「当たり屋じゃないですけど、完全にそうプログラミングされた車に乗ってるってわかってたら、そういう事故に見せかけてどうにかしてやろうとかできちゃいますね」
「そうそう」
判断。
何かを選びとる時に美学を大切にしたいと思っている。
こうでありたいという想いはもう自分の中に病理のように染みついていて、いつも私の言動の判断基準の奥底でメラメラと燃えている。
確かおわかりちゃんと話したときに、おかわりちゃんは大きな判断をするときに最終的には感情を大事にするかもと言っていた気がする。驚くほど似通った私たちのわずかな違いに眩しいと感じた。
私は私の気持ちに対して懐疑的な気がする。
いつか時間が経って振り返ったときに、当時の気持ちを受け入れることができないんじゃないか。だったらもっと自分に関わりのない要因から判断をしたい。
だから努めて美学を基準にしないと自分を見失う気もしている。
美学以外の判断基準で行動や選択を取らなければいけない時もある。仕事の時。
サービスの運営などに携わっていると、売上を基準に立ち回らなくてはいけない。
慈善事業でもライフラインでもないので、売上があがらないことにはにっちもさっちもいかなくなってしまう。
たとえ自分の美学に反していても自分やチームの食い扶持を守るためにも判断して行動しなければいけない。
自分の美学とも合致させながらきちんと回せる能力があれば良いのだけど。そううまくもいかない。
仕事の中でサイトの動線を引いたりするんだけど、こういうのってどういう適性がある人が得意なんだろう。
例えばサービスの登録をさせる中で、未成年なら親権者の許可を取って登録してるよと意思表示させたいとき。
利用規約に同意するとかベタなチェックの中に
「□ 未成年で親権者の同意を得ている」
なんて項目を混ぜたとする。
法的な効力だのなんだのは置いといて、これって機能する項目になりうるのか、とか。もちろんならないんだけど。チェック必須なの?じゃあ成人してたらチェックするの?しなくていいの?未成年が親権者の同意を得てなくても通すの?
「編集内容をキャンセルしますか?」「キャンセルor実行」って意味がわからないよねとか。
「OFF 」というボタンは押したらオフされるのかオンになるのかとか。
テキストで伝わるんだろうか。
帰ったらnoteアップしようと考えて歩いた夜道、月がとても低かった。多少は涼しくなったけどそれでもまだ駅から家までの間にどろどろになる。
わたしも丸洗いできる素材でできててよかった。
秋に大きな楽しみがある。
その頃にはもう少し涼しくなってるかな。
早く一緒にうちのソファに体を預けてだらだらして、話題をあちこちさせながらいっぱい話をしたい。
はよはよはよ!