夜道でふっとぶ

若干鳥目で暗いところでは目が慣れるのに時間がかかるので、暗いところでは人と歩いていても遅れることがしばしばある。だから夜の川沿いの道はあまり縁がなかったのだけれど、最近ライトをつけていれば、人も少ないし水の音以外は静かだしちょっと良いなぁと思って少しずつデビューしていた。

先日、また川沿いにするすると降りていったところ、しばらくして自転車のライトが切れてしまったので、携帯の懐中電灯をつけてソロソロと進み、次の橋で上に上がることにした。私は怖がりで慎重なのだ。(これを言うと思いっきり無視する人もいるんだが)

意外と携帯のライトは遠くまで届かないけれど、近くの建物の照明に助けられてなんとか進んでいたとき。そのとき。

思いっきり私の身体が前にすっ飛んだ。気づいたら、身体の下に自転車と芝生の感触があった。夜の川は滅多に人は通らない。犬もいない。一人で芝生から立ち上がり、一人で芝生を払い、飛んだカバンと荷物を拾い、よれよれと自転車に乗ったら、ガクンガクンという。ギアがおかしくなったか、何かが挟まってんのか、どうしたんだろう?と思って覗き込むと、前輪がぺっちゃんこ。

行くも戻るも同じ距離。もはや自転車屋は開いてない。遅れちゃうし予定キャンセルするかなぁと思ったけれど、戻って今からションボリするなら、予定やってからしょんぼりしようということにして自転車を押して前に進んだ。

予定もは無事終わったけど、途中から左内腿と右お尻が打撲で痛み出した。こういうしょんぼりな出来事は、新鮮なうちに人に吐き出すのがいい、ということで会ったひとにも会ってない人にも転んだすっとんだといいふらし、帰りはバスで帰った。

翌日はもともとの筋肉痛と打撲でよくわからないことになっている身体とともに、バスで自転車を迎えに行き、自転車屋さんに駆け込んだ。派手にやったらしく、大きな穴が空いていて別料金かかったけど、直ってくれたのでいい。まだ私の打撲は痛いんだけど。

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