芸術ってなんだ?って話

2017/11/13 Facebookグループより転載

Liberal Arts Program for Next Leaders 2期 芸術単元のリフレクションです。

詳しいことはこちらをどうぞ。

【Aチーム 芸術リフレクション】

遅くなってしまい申し訳ありません!
Aチームのほこちゃんです。

芸術単元、自分は皆さんより一足お先に事前打ち合わせに参加していたのですが、その時から山内さんの知識や思考の深さ、そして社会との結びつきを強く意識した解釈の話がむしろ心地良いくらいに感じていました。

今回の芸術で強く心に残ったことは2つあります。
『芸術は解釈の多様性に拓けていること』
『象徴とアレゴリー』

この2つです。

『芸術は解釈の多様性に拓けていること』

これは、LAPが開設以来一番大切にしている考え方でした。他人の価値観を認め、自分を見つめ直し、建設的な解釈を進めようとする精神が、芸術には色濃く残っていると感じました。LAP1期に参加させていただいた時から、この多様性を認める考え方を常に忘れないでいようとすることに努めていましたが、ここで改めてその考え方を持って世界を眺める訓練になりました。
特に、今を生きるか、未来に遺すかの議論はなかなか結論付けるのが難しく感じました。自分は白黒つけたがる性格なので、尚のこともどかしさも募りました。

それに関して、単元の後数名と山内さんでオフトークをしていた際に、音楽が人に与える影響について教えていただいた際にも、人によって感じ方や解釈が異なることを良しとする風潮を目の当たりにし、メカニズムを知りたがる理系の血が騒いでしまいました。古賀さんにも考えが偏る危険性に気をつけるよう、ご指摘頂きましたが、まさにその通りだなと思いました。

ここで、少し自分の専門の話も絡めると、医学という学問は『人体の研究と疾病の治療・予防を研究する学問』として紀元前から確立していました。現在もなお、未知のメカニズムを明らかにするものとして研究が進められています。その感覚でいうと、物的根拠のおかげでいままで数々の歴史の謎を解き明かしてきたことも踏まえて、『物は遺すべき』と考えてしまいがちですが、『物』を取り巻く環境やコミュニティが未来にどう影響していくのか、その時その時の人々の幸せがどこに由来しているのか、しっかり考えて行かないといけないなと感じました。

『象徴とアレゴリー』

欠席した人も多かったので山内さんの要約を。
象徴:みんなが同じように感じる感覚(大きいものの中の一部という一体感)
アレゴリー:マイノリティーのような感覚(見たことなかった何かが切り開かれる感覚)

この解釈はとても分かりやすくて良かったのですが、もともと解釈の多様性に拓けている様子からスタートした美学が、解釈の共通要素として専門用語を設置した経緯が気になって色々と調べてみました。

アレゴリーという言葉自体は、美術用語としてもともとかなり古くからあったみたいですが、シンボルとの対比を概念的な理解とともに想起し直すようになったのが19世紀からで、哲学の発展と伴走してきたみたいです。
http://artscape.jp/artword/index.php/アレゴリー

結果的にアレゴリーの指し示す意図は、抽象的で難しい言葉の意味を、分かりやすくイメージ持ちましょうね、ということで具体的なものを用いて表現し直すところにあるようです。
調べてみればみるほど、シンボルとの対比が結構小難しく書いてあったので、山内さんの表現がいかに対比を考えやすくイメージしやすく噛み砕かれているかが改めて分かりました。すごい。

余談ですが、よく数学は哲学の論争の中で例えとして用いられるのですが、シェリング(アレゴリーについて定義し直した人)とカントの話があったので、一応共有しておきます。こうしてみると、大学受験までの数学は一色にしか見えてなかった(と思われる)数学も、かなり色があることを感じてもらえると数学マニアとしては嬉しいです。
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/1356/PHILOFIGHT/card33326.html

リンク切れだったので、似たような論調の記事を差し込んでおきます。(2019/05/16)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/philosophy/2016/67/2016_262/_pdf


後半はよく分からない話になったと思うのですが、果敢に咀嚼しようと試みた人がいれば、コメントください。

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