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アマゾンなどのEC発展と配送・物流業界動向の関係

日本国内での売上が1兆円を超えたAmazon(アマゾン)や国内No.1フリマアプリのメルカリだけでなく、楽天市場、Yahoo!ショッピング、ZOZOTOWN(ゾゾタウン)、ヨドバシドットコム、フリルなど、日本にも数多くのECサービスが成功を遂げています。これらEC市場の成長の裏には配送・物流サービスの発展が密接な関係を持っています。

今回は、アマゾンを筆頭としたEC市場の発展と配送・物流業界の動向との関係性について、市場データをもとに考察していきます。

国内の運送・輸送形態別シェア

まず、国内の運送・輸送形態別のシェアについて、国土交通省の調査によると国内の輸送貨物は重量で比較すると、トラックによる輸送が90%以上(4,289百万トン)を占めており、ほとんどが陸運送ということが分かります。その後に内航海運、鉄道、国内航空と続きます。

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アマゾン・楽天市場などのEC出現により増加する宅配便

宅配便の取扱個数の推移は、’97年の楽天市場リリースに続き、’99年のYahoo!ショッピングリリース、2000年のアマゾンの日本市場への参入などによって、右肩上がりに増加しています。そして、2015年には年間37億個の宅配便が取り扱われています。

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日本国内のBtoCのEC市場規模推移も年々増加傾向にあり、これによってもEC市場の成長によって宅配便の取扱数が伸びてきていることが分かります。また、日本におけるEC化率は2015年時点で、まだ4.8%しかないため、今後も成長が期待される市場と言えそうです。

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年々減少する輸送貨物重量

一方、国内トラックの輸送貨物の重量は、’90年には約64億トンあったものが、2015年には43億トンまで減少しています。これはトラック輸送貨物重量の40%を占める建設関連貨物が、建設市場の縮小によって減少してきていることが要因として挙げられます。

このような動向により、配送・物流業界の各企業は、比較的単価の安いアマゾンなどのBtoCのEC商品取扱数が増え、利益率を圧迫してきているのではないかと推察できます。

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アマゾン・EC発展が与える配送単価への影響

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ヤマトホールディングス(ヤマト運輸)とSGホールディングス(佐川急便)の宅配便単価の推移を見ると、両社とも減少していることが分かります。2013年にアマゾンの配送がSGHDからヤマトHDへ切り替わり、SGHDの配送単価が上昇し始めているのを見ても、アマゾンが与える影響の大きさが分かります。

配送・物流大手企業の売上と営業利益の動向

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上記は、配送・物流業界の大手企業5社(日本通運、ヤマトホールディングス、SGホールディングス(佐川急便)、日本郵便、日立物流)の売上推移を示しています。5社とも売上は増加傾向であることが分かります。

ヤマトHDとSGHDを比較すると、アマゾンの配送をSGHDからヤマトHDへ切り替えた2013年を機にヤマトHDは売上を伸ばしていますが、SGHDは一時的にやや減少し、少しずつ増加しています。

また、日立物流が’02年には2570億円しかなかった売上を2016年には6800億円まで増やしており、2.6倍の成長を遂げているのも注目です。

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配送・物流の大手企業5社の営業利益は、日本郵便以外は増加傾向になっています。SGHD(佐川急便)はアマゾンの配送を取扱うようになった’05年頃から2013年まで営業利益が減少傾向でしたが、ヤマトHDへアマゾン配送を切り替えたタイミングで営業利益も大きく上昇していることが分かります。一方、ヤマトHDはアマゾン配送を取扱うようになり、若干営業利益が減ってしまい、その後も伸び悩んでいる状態です。

営業利益においても日立物流は’02年の64億円から2016年には283億円と4.4倍の急成長を遂げています。

まとめ

・アマゾンや楽天市場などのEC市場の成長により宅配便取扱数は右肩上がりに増加。
・重量の重い建設業界関連の貨物割合が減り、重量の軽いBtoC向けEC商品割合の増加により、輸送貨物重量は減少している。
・アマゾンなどのEC発展により配送単価は減少傾向。
・配送・物流業界の大手企業5社の売上と営業利益について、日本郵便以外は増加傾向。
・アマゾンの配送をSGHDからヤマトHDへ切り替えたことによって、両社の売上と営業利益に影響が出ている。


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