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殆どがリピーターさんだから、やっぱり伝えたいし、聞いてほしい。ーあおさ生産者の森田陽子さんー

正直、心が折れそうなときもありました。
「もうポケマル(直販)やめようかな?」とまで思ったことも・・・
そんな時に支えられたのが、ユーザーさんでした。

そう話してくださったのは、昨年、2022年のポケマル生産者ランキングの水産部門で堂々の第8位!にランクインされた三重県志摩市のあおさの養殖を営む森田陽子さんです。

コミュニティで投稿されている森田さんのあおさ日記

ポケマルに出品を開始されてから今年で5年目になる森田さん、現在は購入者の殆どがリピーターさんで、予約受付で商品は即完売の状態という人気ぶりです。しかし、ここまで辿り着くまで、様々な苦労があったといいます。

今回はそんな森田さんが、これまで紆余曲折ありながらも、「食べきるまでカスタマーサポート」とコミットするまでに至った経緯についてご紹介したいと思います!


ユーザーさんとの繋がりで生まれた「Aosa Life」


「これは、ポケマルのユーザーさんたちとの繋がりからできたものなんです。」そう紹介してくださったのが、商品と一緒に届く、森田さん自らが編集するパンフレットです。これまで、ユーザーさんからの「こんなあおさ料理を作ったよ~」というごちそうさま投稿に支えられてきた森田さん、応援してくださるお客さまへの感謝の思いとあおさ養殖のことを伝えるコミュニケーションツールとして始めました。

「Aosa Life」というタイトルの商品と一緒に届くパンフレット

実は森田さん、ポケマルを利用開始した当初、ユーザーさんとのコミュニケーションで悩んだことがあったそうです。

SNS的な戦略としては成功だったかもしれませんが、当時、私がコミュニティ投稿の利用に不慣れだったこともあって、ユーザーさんとの会話がワイワイ盛り上がっていく一方で、いつも購入してくださっていたリピーターさんが離れていくのを感じていました。あおさを販売するという本筋から離れてしまっていたことに焦りを感じて・・・一時は直販はもうダメかなと思うほど落ち込みました。

軌道修正に2年はかかったと話す森田さん、ポケマルで出品を続けているうちに、リピーターさんたちと繋がる機会が増え、徐々にカタチになったのが、「Aosa Life」というパンフレットだったといいます。

苦況を乗り越えて、生産、受注、発送連絡からユーザーさんが食べきるまで、それら全てがコミュニケーションだということに気づいたと森田さんは話します。

Aosa Lifeの編集風景はポケマルのコミュニティ投稿で見られます

出荷の状況を常にアップデートして、こまめにユーザーさんへ情報をコミュニティー投稿で発信する森田さん。

コミュニティに投稿される森田さんのあおさ日記は、予約注文で待って下さっているユーザーさんとの大切なコミュニケーションツールになっています。

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ポケマルを通して生まれた繋がりについて

これまで、ポケマルのコミュニティを通して生まれた印象深いエピソードは数えきれないほどあると話してくださった森田さん、今回はその中から、2つの繋がりについて教えていただきました。

一つ目は、あるリピーターさんとのやりとりです。

 私が一方的に思っているだけですが、ずっとあおさを食べ続けてくれてるあるユーザーさんがいらっしゃって、食品アレルギーのある方なのですが、食べれるものが本当に限られてるんですね、その方は米も食べれなくて、麺食が主なんですが、あおさは幸い食べれるんですね。毎食の様に一年中、あおさを食べてくださっているのですが、その方の投稿を見る度に、「イザさん(あだ名)の体を支えなくては!」と勝手に思っています。

リピーターさんのコミュニティー投稿

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もう一つは、同じ水産業の生産者さんとの繋がりができたことです。

消費者さんでは無いのですが、ポケマルがきっかけで知り合い、共同出品をしたこともある同じ三重県で牡蠣の養殖を営んでいる中村彩さんなのですが、数年前に大不漁に見舞われて大変な年があったんですね。小さいお子さんもいるし、なんか自分達が子育てしながら生産してた頃と重なって、頻繁に連絡をとるわけではないですが、ずっと気になって、その方のポケマルのコミュをチェックしています。他の通販サイトだと、買ったらその生産者や特定のお客さんの事が気になって投稿とか見ないですよね、これもポケマル独特の見えないコミュニケーション(繋がり)を感じるところなのかもしれません。

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伝えることの大切さについて

ポケマルの利用を通して、コミュニケーションには、色んな形があることをユーザーさんから教わったと話す森田さん。普段、コミュニティ投稿をしない、サイレントマジョリティーのリピーターさんも含め、一連のコミュニケーションを大切にし、最大のコミュニケーションツールは商品であるとの考えで生産していくうえで、常に助けてくれたお客様の事を考えるようになったといいます。

商品に同梱した森田さんからユーザーさんへの手紙

先日、いままで繋がりのあるリピーターさんへ商品にこの(上記)お手紙文を添えました。ただ単に環境変化を訴えたいだけでなくて、現在や未来の日本の食材への考え方、小規模生産者の現状、言葉に出来ない何かを感じ取って欲しいという思いと、これまで支えてくださった方へ、ちゃんと伝える責任がある、という思いで書きました。

本当はお子さんの代まで引き継ぎたいあおさ養殖の技術ですが、海水環境の変化を受け易いあおさの生産は森田さんご夫婦の代で終わることを決意せざるを得ない状況だといいます。

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持続可能な海洋資源の管理に基づくマーケット醸成について考える「海賊サミット」が2022年9月10日、三重県志摩市磯部町坂崎の志摩スペイン村で開催され、橋爪政吉志摩市長や鈴木英敬衆院議員をはじめ、漁業関係者や大学関係者など約20人が海洋を取り巻く現状や今後の方針について意見交換したことが、伊勢新聞に報じられました。

ポケマルという流通ツールだけでは解決できない、一次産業の直面している切迫した課題があります。私たちにとって最も身近な食べることの向こうと、食べるのこの先について、森田さんへの取材を通じて、改めて考える機会ができました。森田さん、ありがとうございます。


関連リンク
♦︎ 森田陽子さん | 食べきるまでカスタマーサポート
♦︎ 
中村彩さん|はちろべ水産


(執筆:雨風太陽 PR 井上)



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