「誰ひとり取り残さない」共助の社会に向かって 〜食べものと想いをこども食堂へ届ける取り組み〜
こんにちは! ポケットマルシェ(ポケマル)広報インターンの岸本です。
ポケマルは「共助の社会を実現する」をビジョンに掲げ、生産者と消費者、都市と地方が共に助け合う関係性を育むような事業・取り組みを行っています。
先日、コロナ禍で販路が縮小してしまった生産者さんの食べものを、生産の様子や想いについて語っていただいたビデオメッセージとともに、こども食堂へ届ける取り組みを実施しました。
(▼取り組みの詳細やポケマルの想いはこちらに綴っています)
この取り組みについて、こども食堂を運営する方や、こども食堂で食事を受け取った方(子どもたちやその親御さん、地域の方など)からコメントやメッセージをいただいたので、一部抜粋ですがご紹介したいなと思います!
(私は読みながらとってもあったかい気持ちになりました😊)
この記事の最後には、本取り組みを担当したポケマルスタッフ石川凜へのインタビューも載せています。
取り組み全般に関するコメント
全国のこども食堂合計約150箇所・13,000人に対して、竹本彰吾さんのコシヒカリ、平井英治さんの緑茶ティーバッグ、塩越遼太さんのボイルホタテ冷凍、野呂英樹さんのサーモン冷凍をお届けしました。
こども食堂を運営している方からのコメント
● 真っ白のこしひかり、おいしそうな美しいグリーンの緑茶、新鮮なサーモン、たっぷり大振りのほたて、どれも通常なら「みんなの食堂」では購入できないものばかりで、箱を開けた瞬間に驚きと嬉しさがあふれました。早速本日の食堂から使わせていただきます。今日は小中学校の終業式です。一年頑張った子ども達へのご褒美になります。ありがとうございました。/越前市「みんなの食堂」実行委員会
● お米は、毎回使用するものなので、本当に助かりました。ボイルホタテ・鮭などは、個数的にも仕入れ価格が高く導入したくとも中々購入出来なかったので、子供達に食べさせてあげることができ大変助かります。緑茶は、パックなのでお弁当と一緒に配布させて頂きます。今回も沢山のものを頂きありがとうございました。/あーちのめし処
● お米は毎回8キロ以上炊くので大変ありがたいです。ねっこ食堂では、金額的に魚介類は高いので、なかなか買えません。今回の立派なホタテ、サーモンをいただき感激です。あれこれとメニューを検討しています。八女の美味しいお茶、冷水でも良いので、子どもたちに、日本の美味しいお茶を飲ませてあげたいと話しています。最近、子ども食堂が認知されてきて、多くの地域の方や企業からの支援は心強く、私たちの大きな励みになっています。本当にありがとうございました🙇🙏/ねっこ食堂
● 資金不足で始めたおにぎり会ですので、肉さかななどはつい最近まで提供できませんでした。今回思いがけず新鮮なサーモンとホタテをいただけて、ありがたいです。じっくりと賞味期限まで楽しみながら調理し提供していきたいと思います。/おおづ子どもおにぎり会
● コロナ禍で、こども食堂等開催が厳しい状態ではありますが、いろいろなご支援をいただきながらお弁当無料配布、地域食堂としての子どもから大人まで、地域の方々に参加していただける食堂を開催継続できている事に感謝しております。この度は贅沢とも言える食材の支援に感謝の念に堪えません。/SATO☆くろせ
※ 内容に変更のない範囲で、誤字等を一部編集しています。(以降も同様です)
お弁当を喜ぶ子どもたち(すずらん食堂)
※掲載許可はいただいています
ビデオメッセージに関するコメント
誰がどんな風につくったものなのかを知ることで、一次産業に興味を持ってもらったり、より食事を楽しんでもらえたらいいなという私たちポケマルの思いから、食べものに加え、生産者さんに生産の様子や想いを語ってもらったビデオメッセージも一緒にお届けしました。
こども食堂を運営している方からのコメント
● 生産者のビデオメッセージ、それぞれの生産者の思いが伝わり良かったです。是非、子どもたちにも見せたいと考えています。/ねっこ食堂
● 生産者の皆さんの動画は、とても興味深く、きっと農業などへの興味がわくことと思います。/越前市「みんなの食堂」実行委員会
● ビデオメッセージは、生産者様の思いや、地理的にどのような所で、どのようにして等がわかり易い素敵なビデオメッセージでしたので、頂いた食材に対しても思いを込めて私達も作ることが出来ました。素材を大切に、美味しさをそのままにを心がけました。
● その生産地の気候や特徴、食材の種・卵からの育て方が、事細かにたっぷり10分説明があったので、食材についてよく分かりました!インタビュー方式でもあったので、見てる側のいろいろ知りたいことを聞いてもらってるような感じがして、双方向の印象を持ちました。子供達も興味深そうに見ていました!
● ビデオが、食育になるものや想いが詰まったものばかりでブログにも掲載させていただきました。/三芳おなかま子ども食堂
● 長引くコロナ禍において子どもたちや高齢者の健康への影響が懸念される中、生産者の方々と子どもたちを繋いで下さり感謝しています。食育の一環としてビデオメッセージを流し、パンフレットによる説明も行いました。深浦サーモン、お米、八女茶、大変美味しくて、皆さん残さず召し上がっていました。ありがとうございました😊/楡木子ども地域食堂なごみ
ホタテとサーモン(ぽんぽこ食堂)
こども食堂で食事を受け取った方(子どもたちやその親御さん、地域の方など)からのコメント
● 食育とはよくいいますが、田舎に居れば農家さんから直接購入したり、農業体験学習をしたりして食べ物のできる過程や大変さもわかりますが、都会だとなかなかそうはいきません。生産者さん達の言葉や顔が見える物を頂くのはお店で買った物とは一味違う学びがあると思いました。
● ホタテの育て方を始めて知った。お米も夏バテするとは、暑さの影響がここにも出ていることを知れた。お茶は年に数回取れるし、植えたら毎年実をつけてくれるいい作物なんだと感じた。
● お米農家の広さにびっくりしました!県でいろいろな特産物があることが勉強になりました!生産者さんのお顔が見えて嬉しいです(^^)
● ホタテの加工にあんなに手間がかかっているとは知らなかったです。貝は、手間がかかるのでどうしても、市販品の冷凍したものに頼りがちなので、加工工程や実際の育っている環境などを見られて、子供にとっても私にとっても勉強になりました。
お弁当(愛発ん家)
生産者さんへのメッセージ
こども食堂を運営している方から、4人の生産者さんそれぞれへメッセージをいただきました。
◇ 有限会社たけもと農場 竹本彰吾さん(コシヒカリ)
● シャリだちが良くお弁当に使いました。子供達の笑顔にご協力頂きありがとうございました。/あーちのめし処
● ビデオメッセージを見させて頂きました。たけもと農場さんで作られた20キロのお米を子どもたちに頂きました。大変有り難うございました。手間隙かけた美味しいお米の作り方も学ばせて頂きました。元気の源となるお米のパワーについて子どもたちに伝えていきたいと思います。子どもたちにお届けさせて頂きます。有り難うございました。/すずらん食堂
● お米は割といただけるのですが、いつも古米です(黒っぽい時も)。今回は、真っ白なそれもこしひかりをいただき、喜んでおります。いつもは、古米をごまかすために、炊き込みごはんや丼ものにするのですが、今回は、白米でいただきます。/越前市「みんなの食堂」実行委員会
● 竹本さん、はじめまして。熊本のお米も美味しいですが、石川県のお米もとても美味しかったです。私の食堂は、お米の寄付は、そんなに無いので助かりました。今回のお米、しかも美味しいコシヒカリ!甘くてお米の香りがして、オニギリにしたのですがとっても美味しく頂きました。子供たちも2個、3個とお代わり続出でした。有難う御座いました。大切に使わせて頂きます。
● お米一粒一粒がふっくら大きく、お替わり続出でした(*^▽^*) おかずが無くなって、ごはんだけお替わりの子どもいました。美味しい物に子どもは正直です!!/虹色食堂
◇ 有限会社グリーンワールド八女 平井英治さん(緑茶ティーバッグ)
● 平井さん、八女抹茶入りティーパックを有り難うございました。お茶の分かりやすい種類等のご説明もありましたのでしっかりとお伝えさせて頂きます。子どもたちの笑顔が溢れることまちがいありません。頂きました大切な美味しいお茶を子どもたちにお届けさせて頂きます。有り難うございました。/すずらん食堂
● 緑鮮やかなお茶葉、ありがとうございました。いつもはコスト削減もあり、お水か麦茶なのですが、しばらくはコストをきにせず 美味しい緑茶をお出しすることが切るのでうれしいです。/越前市「みんなの食堂」実行委員会
● 平井さん、はじめまして。福岡の八女茶と言ったら有名です。これからの季節は冷たくした緑茶は最高ですね。早速、冷水で作って食堂のご飯の日に飲んでもらいました。バーベキューメニューでしたので、油でこい物を食べたあとは、緑茶で!お母さん方からは美味しいと絶賛でした。子供たちも、この日は緑茶もしっかり飲みました。日本を代表する福岡のお茶を知ることが出来ました。有難う御座いました。
● 高級な八女産のお茶はやはり人気でした。ビデオもお茶の工場見学のようで楽しかったです。ありがとうございました。/三芳おなかま子ども食堂
● 高齢の方にお弁当を届ける際に小分けにしてお渡ししました。「美味しいお茶までいただけるの?嬉しい!」と喜んでくださいました。/愛発ん家
◇有限会社イチヤマジュウ塩越商店 塩越遼太さん(ボイルホタテ 冷凍)
● この度はボイルホタテを子どもたちに頂きまして有り難うございました‼️ビデオメッセージを見させて頂きました。美しい海でのホタテガイの1年間の行程を教えて頂きましたので、真心込めて作られた栄養のあるホタテの事を子どもたちに伝えていきたいと思います。頂きました大切な美味しいホタテガイを子どもたちにお届けさせて頂きます。大変有り難うございました。/すずらん食堂
● 大変立派なほたてをありがとうございました。レシピ集もいただきましたので、楽しみが満載です。ありがとうございました。/越前市「みんなの食堂」実行委員会
● 塩越さん、はじめまして。一袋に沢山のホタテ!火を通しても身が柔らかくふっくらとしてます。普段は沢山食べれないホタテも素材を大切に、オリーブオイルと塩コショウのみで食べてもらいました。少し焦げ目がつくと香ばしくて更に美味しくなりました。大人も子供たちも、喜んで食べていました。魚介類が苦手な子たちも、食べることが出来ました。美味しかったです。有難う御座いました。
● ホタテが立派で驚きました。どのように調理活用しようか悩んだ末、生姜煮にしました。お出汁が出たタレまで本当に美味しくて、素敵なお弁当が作れました。ありがとうございました。海のお仕事は危険を伴います。健康に無事にお仕事頑張ってください。/三芳おなかま子ども食堂
● ホタテを赤ちゃんから大きく育てる過程が面白く興味深かったです。時間もかかるし 手作業での工程もあり、大変なんだなぁと感じました。配布したみなさんからは、「普段は高くて買えないのでたくさん食べられて嬉しい」「旨みがつまっていて美味しかった」との声をいただいています。ありがとうございました。これからも頑張ってください。/ちゃめっこ食堂
◇株式会社あおもり海山 野呂英樹さん(サーモン 冷凍)
● 立派なサーモンで沢山喜んでもらいました。子供達はサーモンが大好きです。ありがとうございました。/南部町みんなの食堂
● この度は鮭を子どもたちに頂きまして有り難うございました‼️ビデオメッセージを見させて頂きました。広大な綺麗な海での鮭の養殖をされていらっしゃる様子を拝見し感動しました。朝早くからお仕事をされて美味しい鮭を作って下さったことや、美味しい食べ方も子どもたちにお伝えさせて頂きます。頂きました大切な美味しい鮭を子どもたちにお届けさせて頂きます。大変有り難うございました。/すずらん食堂
● なんと立派なサーモン!お刺身がでる食堂、なかなかないです!興奮しかありません!ありがとうございました。/越前市「みんなの食堂」実行委員会
● 野呂さん、はじめまして。丁寧に下ごしらえして、1枚1枚パックでしたので、自然解凍で必要数に合わせて切ることができたので、良かったです。個人的にはサーモン大好きです。子供達が好きなフライにしてお出ししました。普段お魚が好みでない子もしっかり完食して、お母さんたちも嬉しそうでした。骨も無いので子供たちにとっては、食べやすかったので、丁寧な下ごしらえに感謝致します。有難う御座いました。
● 立派なフィレに驚きました。サーモンは本当は刺身で出したいところですが、お弁当にする都合でフライに。でもおいしいサーモンだったので利用者の感想でも喜ばれたのが伝わります。美しいVTRも見入ってしまいました。ありがとうございました。/三芳おなかま子ども食堂
ブログ等での開催報告
SNSやブログにて、お弁当配布等のご報告をしてくださったこども食堂さんもいらっしゃいました。
● おおしょうのスマイル食堂
● 三芳おなかまこども食堂①
● 三芳おなかまこども食堂②
● 上高田みんなの食堂
● 虹色食堂
● ほっこり食堂
担当スタッフ石川へのインタビュー
本取り組みを担当したポケマルスタッフ石川に、実施してみてどう感じたか、インタビューを行いました。
ーーどんな想いでこの取り組みを担当しましたか。
私はもともと食の不平等について違和感をもっていて。学生時代にはこども食堂やフードバンクでボランティアをしたり、ホームレス状態の方々の炊き出しなどにも参加していました。
(フードバンクのボランティアで食材を運ぶ学生時代の石川)
そのときいつも思っていたのが、提供する食材がすごく限られてしまうということでした。コストの制約上、安く大量に生産されたものが多かったり、生鮮食品が全然なかったり。どうしてもエネルギーを摂取することに重きがおかれた食事になってしまいます。
理想は誰もがおいしい食べものにアクセスできて、生産者と直接つながったり、誰かと一緒に食卓を囲んだりして、食べるということを楽しめる社会だと思っています。
ーー実施してみてどうでしたか。
こども食堂ではなかなか手に入る機会が少ない食べものを届けることができて、とても嬉しいです。すごく喜んでいただけました。また、ビデオメッセージもかなり見てくださっていて、ふだんあまり知ることのない一次産業の世界や生産者さんの思いに触れる機会をつくれたことも、よかったなと思っています。
また、生産者さんも非常に喜んでくださっていて。「こういう取り組みはやりたかったけど、やれていなかったので嬉しい」「やりたくても、どこにどんな風に送っていいのかわからなかった。ポケマルが間に入ってくれたことで実施しやすかった」などのお声をいただきました。
やってよかったな、と思っています。
ーー今後こうした取り組みへの期待などありますか。
ポケマルの実現したい「共助の社会」をインクルーシブなものにしたいと思っています。どうしたらポケマルをもっと色んな人が参加できる場にできるか、様々な形を模索していきたいです。どんな形でやるにしても、ただ単に食べものを送るのではなく、生産者さんとつながれるということは大事にしたいなと思っています。
(こども食堂で読み聞かせをする学生時代の石川)
「誰ひとり取り残さない」共助の社会に向かって
こども食堂のみなさんからのたくさんのあたたかい言葉に嬉しくなるとともに、食べものをこんなにも必要としている人がいるということを、私自身はじめて実感を伴って知ったように思います。特にお米は、毎年のように需要が減っていると農業界では嘆かれていますが、これだけお米を喜んでいる方がいること、ふだん古米を食べることも多いという話があったことは、かなりショックでした。
前回のnoteでポケマル代表の博之さんも「食べものはもう十分ある。問題は偏在してしまっていること。多いところと少ないところ、うまくつなげて分配するような役割を、ポケマルも担えると思っている。日常化する仕組みも考えていけたら」と語っていましたが、まさにそうだなと感じました。
SDGs(持続可能な開発目標)においても「誰ひとり取り残さない」ということが掲げられていますが、ポケマルもそうありたい、どんな人でも生産者とつながれて、おいしい食べものにアクセスできて、食卓を楽しめるような社会を目指してきたい、そう考えています。
今後もこの取り組みを通じて生まれたこども食堂とのネットワークや蓄積したノウハウをいかして、ポケマルとしての取り組みの幅を広げていきます。生産者のみなさん、ユーザーのみなさんと一緒に、「誰ひとり取り残さない」共助の社会に向かっていけたらと思っています。
・・・
本記事TOPの画像:食堂にきた子どもたち(SATO☆くろせ)※掲載許可はいただいています
◆この取り組みの詳細やポケマルの想いを綴ったnote
◆ ポケットマルシェのサイトも、ぜひのぞいて見てください✨
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