味と香りが特徴の「味香みかん」が出来るまで。—佐賀県唐津市・万里川勝博さん
初めての農業で目指したのは、あの時食べたみかんの味。数々の失敗の末に、自信をもって皆さんにお届けできる「味香みかん」が完成しました。
66歳で退職後に就農。みかん好きが高じてみかん農家に
佐賀県唐津市で柑橘類の栽培を行う万里川勝博さん。この地に移り住んだのは66歳の時で、それまで農業経験一切なしという、まったくの初心者でした。
みかん農家を選んだのは、大のみかん好きだったから!そして以前、唐津在住の知り合いの農家さんにおすそ分けしてもらったみかんが衝撃的においしかったからだそう。それまで食べたどんな品種のものも凌駕するようなその味と香りを目指して、万里川さんの挑戦が始まりました。
右も左もわからないまま始めたみかんの栽培は「とにかく手探りで失敗の連続。地元の方々に教えていただきながら、なんとかモノにしていった」とのこと。
収穫したほとんどが出荷できない状態という年もあったそうですが「それも成功の秘訣になった」とお話してくれた万里川さん。どんな結果もポジティブに捉え、地道に続けてきた成果が実を結びます。
特徴は味と香り。皮ごと食べられる「味香みかん」
そうして完成したみかんは「味香(みか)みかん」と名付けられました。
その名の通り、口の中に長く余韻が残るような深みのある味わいと高い香りが一番の特徴。強く印象に残っているあの日のみかんの味、香りと同じものがついに完成しました。
万里川さんがこだわっているのは、極力農薬を減らして栽培をすること。
害虫に弱い品種ではあるものの、いつかは無農薬栽培を実現するため今は色々とチャレンジ中とのことでした。
万里川さんは味香みかんを"皮ごと"食べることをおすすめしています。通常は捨ててしまう外皮の部分もクセがなく、おいしくいただけるそうですよ。
実は非常に栄養価が高いとされるみかんの皮ごと食べることで、その栄養を余すことなく摂取できます。残留農薬検査で合格が出てから発送しているそうで、その安全性の高さも評価できるポイントです。
加工品の開発にも積極的に取り組んでいるそうで、外皮までを丸ごと使ったジュースやジャム、ワインなども販売されています。
フランス料理のレストランでは、味香みかんを使ったソースが使用されているところもあるそう。
「まだまだ認知度の低い味香みかんをもっと多くの方々に知ってもらい、需要を増やしたい」「後継者をつなぎ栽培人口を増やして、耕作放棄地を有効活用していきたい」と今後について語ってくれた万里川さん。その人生を大きく変えたみかんの味、一度体験してみてはいかがでしょうか。
(取材・執筆:PR 西宮)
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