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厚真の自然と、たのしくほがらかに暮らす。「たのしいたけ」農家 堀田さん—おやこ地方留学プログラムのご紹介

2018年9月、最大震度7の大きな地震が北海道・厚真町を襲いました。
人口約4,400人の町で、この地震の犠牲となってしまったのが37人。これを札幌市に置き換えると、人口比で16,000人ほどの方が犠牲になるほどの規模に相当します。
豊かな自然の中でのどかに暮らす厚真の人々にとって、これがどれほどの痛みであり、悲しみであったかは計り知れません。

そんな大きな喪失の中でも顔を上げ、"朗らかに楽しく暮らす"という思いを込めて始まったのが「株式会社たのしい」。
地震で傷ついた森の再生、厚真の復興のため、あるご夫婦の挑戦がスタートしました。

「株式会社たのしい」を運営する堀田さんご夫婦

2023年夏、北海道・厚真町にてポケマルおやこ地方留学のプログラムが実施されます。
その受け入れ先の1つが、「株式会社たのしい」を運営する堀田さん。厚真の森に生きる樹木を活用した、原木しいたけの栽培を行っています。

森の恵みがたっぷり。堀田さんがこだわる「原木栽培」

皆さん、しいたけには2つの栽培方法があることを知っていますか?
1つは、おがくずなどを固め人工的に栄養分を添加した菌床を使った「菌床栽培」。もう1つが、原木に種菌を植え付ける「原木栽培」。

「たのしいたけ」は原木を使って栽培されています

堀田さんはこの原木栽培にこだわって、しいたけ作りを行っています。

こちらの農園では、森のバランスを守るために切り出された間伐材が利用されています。
厚真町の魅力の1つでもある、豊かな森。そこに自生する樹木には、北の大地の恵み、清らかな雪どけ水が豊富に含まれています。

森の栄養がたっぷり詰まった堀田さんの「たのしいたけ」は香り豊かで、強い歯ごたえが特徴!一度食べるとハマってしまうおいしさなのだそうですよ。

豊かな香り、歯ごたえが特徴の「たのしいたけ」
和食だけでなく、様々なジャンルの料理に使えます

収穫を終えた木々は最終的には薪ストーブの燃料となり、寒さ厳しい冬の暮らしを暖めてくれます。エコの視点から見ても優れている、サステナブルな栽培法と言えますね。

栽培に使われた原木は、薪として再利用されます

重労働、繊細な管理、低利益…それでも「しいたけ栽培は楽しい」

手塩にかけて育てられたしいたけ

しいたけは、非常に繊細な管理の下で栽培されます。一定の温度や湿度をキープし続けることでしいたけは成長し、そこにわずか数℃の違いが生じるだけでも収穫量に大きな差が生まれてしまうそう。
樹木の切り出し、運搬も重労働で、その手間や労力から原木栽培を諦めてしまう生産者さんも少なくないのだとか。原価の高騰の影響も多く、利益率の低さも問題となっています。

それでも堀田さんは「しいたけ栽培は楽しい」と言います。
手作業を繰り返すことで大変な部分も多いが、しいたけが実った時の喜びはひとしお。「"命を生産することの喜び"を実感できる」とお話してくれました。

「第2の故郷になれたら…」おやこ地方留学に対する思いとは?

震災時に初めてボランティアの受け入れを行って、今まで接点のなかった方々との繋がりが増え、それは堀田さんの喜びにもなっていきました。
3人の子どもを持つ親として、食育や自然を五感で感じる体験の大切さを実感したこと、ひとりでも多くの人たちに、厚真町の豊かな森の魅力を感じてもらいたいという思いから、今回おやこ地方留学の受け入れを承諾してくれたのだそう。

都会に住む子ども達にとって第2の故郷のような、馴染みのある場所になれたら
そんな思いで、遠い地からやってくる親子を迎え入れてくれます。

プログラムが実施される7月は、しいたけの成長スピードが落ちる時期。ちょっとしたオフシーズンと重なるようです。
そのためしいたけ栽培に関する作業はあまり多くないようですが、しいたけができる過程を知ってもらったり、自然と思いっきり触れ合ってもらえるようなプログラム、空間を提供していただく予定です。

厚真の魅力の1つでもある、恵み豊かな森

しいたけの命の源でもある厚真の森にも、足を運んでもらいたいと思っているそうですよ。森の恵みが食べ物に変換されている、そのつながりをぜひ参加者の皆さんに感じ取っていただきたいです。

堀田さん一家にとっては"何気ない1日"。けれども違う土地から訪れる子ども達にとってそれは、めったに触れることのできない"非日常"であるはず。

しいたけ農家の1日を体験して、知って、楽しい夏休みの思い出を作りませんか?雄大な北海道の地で、堀田さんご一家がお待ちしています!


関連リンク
◆生産者ページ:堀田昌意
◆HP:株式会社たのしい
◆”ポケマルおやこ地方留学”の詳細・お申込みはこちらから

(取材・執筆/雨風太陽PR 西宮)

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