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「能登復興と関係人口の可能性を考えるトークセッション・車座交流会」を開催しました(執筆:高橋博之)

一か所に拠点を置く生活スタイルを前提に社会の仕組みや制度はつくられてきました。しかし今、積極的に二地域居住や多拠点居住をしている方、災害などでやむを得ず事実上の二地域居住をしている被災者の方(能登半島地震で広域避難している方)などがいます。こうした二地域居住者に既存の制度をあてはめることは困難な場合も多く、またそもそも意味がありません。二地域居住の徹底支援という視点で、実態に制度を合わせるべく、国も動き始めています。

具体的な取り組みとして考えられるのは

①二地域居住者としての登録、証明及び負担と住民サービス享受
②二地域居住の支援策...住宅、シェアリングエコノミー
③往復の交通の支援
④教育、出産・育児環境の整備
⑤地域内交通の確保
⑥地方における医療の充実

などです。5/6、衆議院議員で自民党の二拠点居住タスクフォース座長を務める越智隆雄さん、 政府の「移住・二地域居住等促進専門委員会」有識者委員を務める石山アンジュさん、能登町役場復興推進課主幹の灰谷貴光さん、そしてすでに二地域居住をしている奥能登ブリッジ共同創業者の伊藤紗恵さん、漆芸家桐本滉平さんと、二地域居住の意義や課題について考えました。馳知事も来賓ではなく、参加者として2時間半フル参加。県の高橋企画振興部長、佐藤復興推進課長、アドバイザリーボードメンバーの谷内江さん、そして被災者、支援者、企業、NPOも交え、目線を合わせて議論を深めることができました。

現在、二地域居住を推進するための関連法案が国会で審議されています。具体の取り組みはこれからですが、ちゃんと国の制度の中に位置づけられようとしていることは大きな一歩です。今回、石川県も創造的復興プランの中で二地域居住の推進を明確に打ち出しています。そこで、今回の国の制度で足りない部分で現場から埋めれる部分を埋めていけるような県独自の条例を先行的に制定してはどうかと提案をさせてもらいました。国、県、町、被災者、それぞれの立場から意見が出て、リアルな政策議論になりました。

被災されて二地域居住を余儀なくされている方への支援と、能登の復旧復興に主体的に関わろうとしている方の認定と優遇、ふたつ話があるんですが、重なる部分と、別個に考えないといけない部分があり、改めて整理と工夫が必要だと思いましたが、昨日の議論も踏まえて提案をアップデートし、県に提案していきたいと思います。

参加者の方々からも積極的に質問があがりました

議論の録画はこちらのユーチューブからご覧いただけます。


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