子どもをプロサッカー選手に、と思ったあなたに


近年、日本でもヨーロッパサッカーが頻繁に放送されるようになりました。
ヨーロッパで活躍する日本人選手の影響もあり。


将来はサッカー選手に!という子供

または

我が子をサッカー選手に!という親が増えて来ています。


今回はそういったことが頭をよぎった際に

・実際にプロになるという目標を達成するためにはどのような道筋があるのか?

・親がどんな視点でみるべきか? 気を付ける事は?

・子どもの成長過程で、どんなことを考えるべきか

そういった点を情報提供として書いていきます。


内容については僕がサッカーの世界に身を置いているので、サッカー目線ですが、
他のスポーツに当てはまることも多いと思いますので参考にしていただければと思います。


サッカー選手への夢を諦める時

まず最初にいつ・どこでプロサッカー選手になることをあきらめるかという話からしていきたいと思います。

いきなり諦める話厳しい内容のように感じますが。
実は本人や周囲が諦めるまではプロサッカー選手への扉が閉じてしまうことはほとんどありません。

もちろんそれでも最終的にプロサッカー選手になれるのは一握りの人だけですが。

走る事が難しいような大けがをしてしまった。
年齢的にもう厳しい。
そういった時ですら、本人が最終的には腹を決めないといけない問題です。

ここで最初にこんな話題から入った理由になりますが。

プロサッカー選手とは、
サッカーをすることで収入を得る人のことです。


Jリーグのチームに入れなかったとしても
海外にはいくつのプロサッカーチームがあるでしょうか?
そのすべてのテストを受けて、それでも受け入れ先が本当に無い状態になるまで、チャレンジすることは可能なのです。

現にJリーグ入りができなかった選手がアジア圏だけでなく、ヨーロッパ、南米に・・と
すでに両手では数えきれない数の国々でプレーしています。

そこからステップアップしたり、Jリーグに逆輸入されたり。
今後サッカー選手のキャリアは今まで以上にたくさんの道筋が増えていくことでしょう。

もちろんエリートコースを順調に辿ってプロになることは理想ですが。
どこかでエリートコースを外れても、再び同じ舞台を目指せるということはサッカーが日本の中でも少しずつ成熟してきていると実感できる部分です。

諦めるという話のスタートでしたが
簡単に諦めない為の話でもあると思います。


そして、最後にも書きますが、プロを目指すつもりはないけどサッカーを続ける、という選択も個人的には悪くないと思っています。


子供に頑張らせるなら親も覚悟を持って

こういう言い方をすると
子供に厳しくするという意味に取られてしまうかもしれませんが、むしろサッカーのことはサッカーのコーチなどに任せて、親はサポート程度にした方が上手くいく傾向があります。


プロサッカー選手になったプレーヤーの多くが
親に手取り足取りサッカーを教えてもらったわけではないのが現状です。
むしろ少し放任されていたプレーヤーの方が成功している割合は多いです。


では、親の覚悟とはなんでしょうか?

僕は酒とたばこをやめましょう!
と、声を大にして言いたいのです。

なぜか、
子供の成長に影響が出る。 タバコの副流煙などで。もちろんそれもあります。
教育上良くない?  これももちろんです、子供はサッカープレーヤである以前に子供なのです。

では僕の思う一番の理由は
「それが子供の夢を奪う事になりかねないから」です。

ニュースなどで、
高校球児の喫煙が見つかったので活動自粛、甲子園に出られない。
というような内容のものを耳にしたことがあると思います。

野球で耳にすることが多いのは
高校球児はクリーンなイメージがある単語なので、インパクトがあり、報道の目に留まりやすいことと、高野連がこういった問題に対して断固たる態度を示しているからで、
むしろきちんとしている競技ゆえと言えます。

こういった問題を起こした彼らは甲子園というスカウトが来たり、全国的な注目度の高い大会をみすみす手放してしまう事になるのです。

そこで大活躍をしたら未来が切り開けていたかもしれないのに・・・
もちろん本人たちはそんな大事になるとは想像もせずにいたのでしょうが。

問題となるのは
なぜ彼らが「タバコを吸ってみたい」と思ってしまうのか?
という点です。

興味本位であったり、吸う姿をかっこ良いと思ってしまったり・・・
でも、近年は若い世代への影響からCMやテレビでの喫煙シーンはあまり流されないようになってきています。

では、どこから影響を受けて興味をもつ可能性が高いでしょう?

実は未成年が大人と密接に関わることは少なくて
・親(家族関係)
・教師
・コーチ

このくらいの関わりがほとんどの子にとっての「大人」の割合です。

つまりこの人達の行動からの影響を強く受けます。
周りの大人が誰もたばこを吸っていなくても、吸う子は出てしまうかもしれませんが、影響を受ける部分の大人が誰もたばこに興味がなければ防ぐことができる可能性は一気に上がります。

彼らが注目を浴びるべき舞台への切符をそんなことで失う事がないように、

もちろんタバコやアルコールはスポーツのパフォーマンスにも関わる部分ですから
周囲の大人はそういったものを辞めるくらいの覚悟を持って接して欲しいと思います。

もしくは絶対に子供の目につかないところで。


成長期について子供と一緒に考える

小学生や中学生の間は成長期がいつ来るのか、かなりの個人差が出ます。
それによって様々な影響が出てきます。

早めに成長期が来ると
・身長で優位になる
・筋力で優位になる

このため、技術的に劣っていても勝ててしまったり
足も先に早くなるのでスピードだけで押し切れたり

逆に成長期に入るのが遅いと
・身長で不利になる
・筋力で不利になる

僕が小学校卒業時に143cmしかなかったので分かるのですが

本人からすれば
「自分は足が遅い、キック力もない」と思いがちです。
いつかは同じラインに立てるということを大人はしっかりと伝えるべきだと思います。


そうすることで成長期が早く来た子にも
いつまでも背の高さと足の速さだけに頼ってはいられないと理解させることもできます。

実際に成長期の早く来た子は同年代との優位性に頼ってしまうこともあります。

良くある話ですが
小学生の頃、全国大会優勝したチームがあり、
当時身長170cm超で足も速かった子をFWにして一人で点を取っていた。
スペースにボールを蹴って独走したり、ハイボールをヘディングで得点を量産したり。

でも、その子がその後も成長して190cmになって、今の優位性をそのまま保つことができるでしょうか?

ほとんどの子はそうはならないでしょう。

そうすると身長だけで勝っていたヘディングではいずれ通用しなくなります。
足の速さも、いずれ他の子たちに追いつかれます。

そのままスピードスターになれるのはほんの一握りのプレーヤーですし、単純に早いだけでは現代サッカーでは通用しません。
その子も途中で他の子たちに追いつかれて、上のレベルに到達できない・・・

成長期の早く来た子には、こういった点からも、上級生と蹴る場面を作るなど、優位性だけでは勝てない環境を作ってあげることも指導の現場では必要になります。


成長期の遅い子については

自分は背が低いし、足も遅いからと、サッカーは向いていないと判断して諦めてしまう。
最悪サッカーを辞めてしまう。

あるいは劣等感を持ったままの選手になってしまうとチャレンジの苦手な選手になったりするので、きちんと現状を伝える義務が大人にはあります。

僕も足は周りより遅いという認識でいたので、ドリブルをすること自体に抵抗があって、なかなかプレーの選択肢を広げることができませんでした。

成長期になってからもその劣等感を拭い去るのにかなりの期間を費やしました、これは本当に勿体なかったと自分のことながら思いますし、いずれ運動能力差も埋まるということは予め知っておきたかったと感じています。


ウエイトトレーニングのタイミングなど

成長期が終わって身長が止まってからようやくしっかりとした筋肉が付くようになります。
ウエイトトレーニングはそれを待って行う事が望ましいです。

この理由として
身長を伸ばす方を優先に栄養は使用されるので、成長期の間はそもそも筋肉を増やす効果が期待できない

成長期に無理に過度の負荷をかけると成長しきっていない関節や骨、靭帯を痛める
という2点があります。

キック力が無いと悩む子に対しては筋力をつけさせたくなるところですが。

足のどの部分がボールにどのように当たるとしっかり飛ぶのかという技術的な面を優先して、いつかは筋力が付いて自然にボールは飛ぶようになる事を伝えてあげて欲しいと思います。


幼少期からのサッカーとの付き合い方


幼少期(~小学生)

この頃の方法論として
①サッカー漬けにする
②色々なスポーツや遊びに触れさせる
というものがあります。

個人的には②の色々なスポーツや遊びに触れさせる事を重要視しています。

サッカーは他のスポーツより自由度が高い、と言われていますが
それでもボールを持った時の選択肢は
ドリブル
パス
シュート

に基本的にはなります。
動きがある程度制約されるのです。

色々なスポーツや遊びを行うことで
サッカーだけでは身につけられない部分の柔軟性や神経系の発達・バランス能力の獲得を促しておくことは
今後サッカーをするにしろしないにしろ、プラスに働くものです。

それと、サッカーは「楽しいもの」という感覚を養う様にして欲しいという思いもあります。


この時期から中学生に上がるころまでは子供は比較的親に言われた事を素直に聞く傾向があります。

一方で、そこから先の年代になると「自分で判断」「自分で決断」という部分が強くなるので、彼らの中でサッカーがどんなものになっているかは重要です。

知り合いに、Jユース時代にJリーグのトップチームから声がかかったにも関わらず「遊びたい」という気持ちの方が強くて、コンディションが悪いまま練習に参加してしまい、その後声がかからなくなってしまった人がいます。
彼は今、全く違う仕事をしています・・・

彼にとってサッカーはそこまで「大事」でも「楽しい」ものにもなれなかったのでしょう。
その証拠に特に後悔している様子もなく、現在はフットサルの個人参加に体が鈍らない程度に通って満足しているようです。

サッカーをしていると
つらいことや不条理なことがたくさんあります。
体をぶつけ合うスポーツですし、相手が悪いのにこっちのファールを取られることもザラです。

それを上回るサッカーが「好き」「楽しい」という感覚があれば、その子の大切な支えとなってくれます。

嫌々やっていたら、そういった不条理などで更にサッカーが嫌になっていってしまうでしょう。

この部分を大切にして欲しいと思います。
好きであれば子供は言われなくても練習します。
楽しいものもそうです。

「テレビゲームをやりなさい!」なんて怒鳴らなくても子供は楽しいから自主的にやりたがります。
そういった遊びのひとつで良い時期とも言えます。

小学生年代

小学生になると地域のサッカーチームに入る子が多い時代になってきました。

この時期になると
サッカーをできる場
教えてもらえる場が一気に増えて
親も悩んでしまうことが多くあります。

理想であれば
本人のレベルがそのチームで上の方になったら、
もっと強いチームに移って・・・という繰り返しで
ゆくゆくはJリーグの下部組織のエリートコースのテストに合格して。
そのままそのチームでプロになる
というストーリーが最もシンプルです。

でも、これから逸れてももちろん問題ありません
中村俊介選手も本田圭介選手もエリートクラスから途中ではじき出されていますが、
他の選手より劣っているどころか日本サッカー史上有数の選手となっています。

話を戻して、
サッカーチームにも色々とあります。
・具体的に全国大会(参加あるいは優勝)を目指すことを優先するチーム
・チーム全員が試合に参加することを優先するチーム
・監督が有名なチーム
・監督はほとんど口を出さずに子供の意見を尊重するチーム

そしてサッカースクールも増えてきました
・ほぼサッカーチームと同じ運営をするチーム
・チームとして大会などには参加せず、個人個人の能力向上を狙うスクール


まずサッカーチームそれぞれのメリットとデメリットを挙げていきます。

・具体的に全国大会(参加あるいは優勝)を目指すことを優先するチーム

メリット
全国大会を目指すことを標榜しているので、プレーの質が高い子供が集まりやすい。

このため、向上心が強い子や負けず嫌いな子は伸びやすい環境が整っています。

相手も同じ思考のところがメインになるので、強い相手との試合が多くなります。

実際に早い年齢で全国レベルを知ることで、子供のモチベーションアップを狙えます。
こういったチームで中心選手を慣れるようであれば、たくさん良い経験を積むことができるでしょう

チームとして結果を出しやすい環境なので、自然と周囲から注目され、活躍できれば選抜チームなどへの近道にもなります。

デメリット
ある程度の勝つことを積み重ねないとトーナメントなど優勝を狙えないため、相手が強くなってくると固定のベストメンバーで戦うようになりがちで、それ以外のメンバーが質の高い試合の経験を得にくい。


レベルの高い子が集まりやすいので、未経験の子供や発育の遅い子が付いていけないとうことも起こる

勝ちにこだわるチームではリスクを避ける選択を優先することで、苦しい場面を切り抜けるためのメンタルと技術が身に付かないことがある
例)自軍ではすぐにクリア 敵陣では手数をかけずにシュート


・チーム全員が試合を経験させることを優先するチーム

こちらがだんだんと主流になりつつあります。
勝ち負けよりも試合をみんなが経験する。

以前は競技人口が今ほど多くなかった関係からチームが強くないと子供が集まらないなどの難しさがありましたが、現在は指導方法や子供に合うかどうかで判断する親も増えて来ているので、こういった余裕のある指導ができる環境が整ってきました。

メリット
成長が遅い子や技術的に劣る子も試合を経験することで成長することができる。


勝ち負けの優先度が指導の中では高くないので、子供の自主性を伸ばす余裕がある。

高校入学以降に伸びる子などは下地をこういった時期につけられていると後で伸びしろを大きく持つことができる。
試合結果よりも内容を意識してコーチや親が子供に接することができる。


デメリット
勝ちにこだわりたい子からするとベストメンバーで常に試合をしたいという欲求がでて、負けることで、チームとの折り合いを欠くことがある。

入団してくる子どものレベルがまちまちなので、年代によって実力にバラつきが出る


・監督が有名なチーム

メリット
(ネガティブな噂でない)有名な監督であれば、独自のメソッドや経験を持っていたり、有名選手をプロへ導いていたりするので、実績がある

デメリット
監督によっては練習内容や求める技術レベルが難しいことがままある


・監督(コーチ)がほとんど口を出さず子供の自主性を尊重するチーム

メリット
サッカー以外の場面でも子供が自分で考え判断し、実行するができるようになる。

怒鳴られることなどがほとんどないので、のびのびとプレーできる(子供同士でキビいことを言い合うのはどこでもある風景です)

デメリット
引っ込み思案の子は自分で考えることやみんなの前で意見を言うことが最初は嫌かもしれない。



最近の風潮では
・チーム全員が試合に出る 監督はあまり口を出さない
というチームが増えてきていると感じます。

コーチが指示をして、従っているだけでは
コーチよりも創造性の優れた選手は出てきません。
そこで、自分たちで考えて実行することで、本来の創造性等を
表面に出せるようにしようという流れもあります。


選手はいつ伸びるか分からないので、全員がしっかりと試合の経験をすることで、将来的な可能性を潰さない

これは日本だけでなくヨーロッパのサッカー先進国でも同様の方向性が見られます。

日本の小学生年代の大会では
前後半で必ずメンバー全員入れ替えというようなレギュレーションになっているものもあります。
課題もあるものの、日本サッカーの底上げのためには良い方法だと思います。


サッカースクールについて

スクールは試合をしない所が多いです。
技術を学びに来ているという印象。
別のサッカーチームに所属していても良いし、どこにも所属していなくても大丈夫というところがほとんどです。

僕のフットサル仲間にサッカーコーチを生業にしている人がいるのですが
彼のスクールに来る子はほぼ全員他のサッカーチームに所属していて、練習がない日や、自分のチームの練習が終わった後にスクールに来ます。

感覚的にはサッカーチームが学校でスクールが進学塾ですね。

かなり意識の高い子が集まるスクールで
そこのスクールの最大目標はJリーグの下部組織のエリートコースのセレクションに合格する事です。

もちろん子供によってで、自分のチームでレギュラーになりたい!地域選抜に選ばれたい!
あるいは将来バルサでプレーしたい!と幅広くなっています。

そのため、練習で気を抜いたりミスをするとコーチが怒ることもなく
「ちゃんとやれよ!」と子供同士で注意し合います。
地域の大会のベスト4くらいになってくるとここの子供同士の激しい試合が見られるくらいです。

エース格同士が意地とプライドを持って日頃の練習をしていたら、それは上手くなって当たり前ですよね。

ちなみに僕がフットサルをする時にこのコーチが教えている子供達と一緒にプレーすることがあります。

この時の彼らの目線は
相手が自分より大きくて身体能力がある時、どんなプレーをすれば良いのか?
そういった相手に自分の何が通用して、何が通用しなかったのかを必死に考えています。

そして6歳から12歳のゴールデンエイジと言われる世代の子供たちは自分の目の前で行われているプレーを見ているだけである程度吸収してしまいます。
大人が見せる、今まで見たことの無いフェイント、パスを見て盗むことで、この子たちは加速度的に上達していきます。

こういったスクールに入ることで、本気でサッカーに取り組んでいる同年代の子と触れ合うのは刺激としてはとても良いと思います。
もちろんサッカー以外の習い事や家族との時間も貴重なものなので、必須ではないです。

むしろ心配な事に、この年代の子が疲労骨折をするケースが増えています。
子どもは自分の体についてそこまで細かく分からないし、無理もしてしまいます。
そこは周囲の大人がサポートするべき場面だと思いますし、スクールなどで毎日何時間も運動することの弊害とも言えます。


この年代の子供を持つ親の心構え

コーチにはコーチやチームとしての考え方があるので、基本的にはプレーや運営については見守る姿勢で。

子どものプレーに対しても意見をするのではなく、「あの場面はどうしてああしたの?」など聞く姿勢で。
親がプレーについての批評をはじめてしまうと、子供が段々サッカーの話しをしてくれなくなります(笑)

親は子供のサポーターです。
寄り添って挙げて下さい。
「もうサッカー見に来ないで」と言われないように気を付けましょう。

もう一点気を付ける内容として
親が勝ち負けにこだわり過ぎると、子どもにも伝わってしまい、勝つために合理的な方法を取って、リスクを冒さないことで上達しにくくなってしまいます。


サッカーで遊びと余裕の部分は非常に大切です。
いつも効果的なプレーばかりでは相手に簡単に読まれてしまいます。
あまり勝ちにこだわらないようにしましょう。

この試合に勝って得られるものは何ですか?
これがW杯決勝ならどんな手を使ってでも勝ちにいくべきですが、そうではありませんよね?
その試合から何を学ぶか、次以降に行かせるようにすることがこの年代では重要になります。


中学生年代

この年代からはそんなにチーム選びなどに頭を悩ませることは無くなります。というのも、子ども自身が自分の行きたいところなどを伝えることができるようになっているはずだからです。

中学校の部活動なのか、クラブチームなのか。
子どもの意見は尊重してあげるべきですが、理由をはっきりと聞いておくことは大切です。

ただ、楽そうだから、友達がいるからという内容であるなら。「本当にそれで良いの?」「上手くなることと、どちらが大切?」という問いかけは必要ですが、この年代になると最終的な決定は本人が行う方が良いです。


親が決めてしまうと何かあったらすぐ辞めたり、さぼったり、周囲の誘惑も増えてくる年頃です。
回りの友人は彼女と一緒に遊んでいるかもしれません。
反抗期にもなってくる頃です。

子どもがどんな価値観を持っているのかを家族の会話の中で何となくでも理解して置くと
こういった問題が発生した時に対応しやすいと思います。
中学校年代は成長期も大体の子供で終わったり(僕は高2まで身長伸びましたが)
実力も一気に伸びますが、チームをしょっちゅう変えるほどではないと思います。

そのため、基本的には高校年代でどこのチームに行くか?
ということの方が重要になると思います。

さすがにここは本人に考えさせましょう。
本田圭介選手は、実家を出た方が良いし、星稜のサッカーは自分に合っていると自身で考えて、高校を選んでいます。

今後プロになるのであれば自己管理は重要になるので、そういう面を伸ばす場面と考えても良いと思います。


※中学生からサッカーをはじめたら遅い?
一概には言えません。
最近の子供は小さい頃の遊びでボールを蹴っていることも多く、近所の友達との遊びにもサッカーが入っています。

そしてテレビなどでプロのサッカーを目にする機会もあるので、昔よりサッカー未経験者の質が高いことを感じています。

そして言われたことの飲み込みは成長するほど早くなるので、人によっては中学からでもプロを目指すことは可能です。
大人になってからサッカーはじめたのに僕より上手い人もいまして(涙)


高校年代

ここは最初に来る最終ステージ(?)という感じです。

高校サッカー部からプロへ
Jのユースチームから昇格
クラブチームからプロへ
ここから逸れると

大学サッカー
社会人サッカー
海外挑戦
となります。

今までの年代ではエリートコースの人は除外した話をしてきましたが
この年代ではむしろ
「このままJのユースチームにいてもプロにはなれないのではないか」
ということがチームメイトを見ていると感じることができてしまうので、

危機感を持った選手は、高校サッカーでの厳しい環境に敢えて飛び込んだりいよいよプロになる為にどうするべきかを各自が具体的に考えるタイミングになって来ます。

高校年代では体も概ね完成していますが、まだまだ一気に成長する選手もいます。
むしろ心・技・体が揃うことでなのか、1年位で見違えるようになったりする選手はどこのチームにも1人くらいいる肌感覚です。

練習時間や自分に足りないと思う部分についての補完も自分で時間を調整して、自主練習に当てたりと、いよいよ自分自身をマネジメントする段階にもなります。

もはや高校年代になると親の役割としてやるべきことはあまりありません。

僕はこの時期家族にサポートして欲しい部分については特に食事で、
毎日の練習量は中学までと比べ大体長く、強度も高いので、しっかりとエネルギーとたんぱく質を摂取できる食事を用意して欲しいと思います。


食事について

サッカーに対し、真剣に取り組んでいるご家族でも、食事については
あまり意識されていないことがあります。

食事は体作りの面はもちろんですが、試合の日に何を食べたかなどは、試合のパフォーマンスに直結します。

なんか調子が悪い、体が重い・・・
理由が分からず悩むことがあったなら、食事を見直してみる必要があるのかもしれません。

基本的に運動前や運動中の水分補給はBCAA(分枝鎖アミノ酸)をしっかりと摂取して欲しいと思います。


BCAAは筋肉の分解を防いでくれると共に、パフォーマンスの底上げもしてくれます。
毎日すごくハードにとレーニングをしているのに、筋肉は分解されていくのではもったいないですよね。

必要な分のエネルギー摂取がされていないこと

たんぱく質摂取が不足していること

運動中のBCAAの不使用

この3つは幼少期から青年期までのスポーツ少年・少女にガリガリの子が多い理由ではないかと栄養士の身として考えています。


運動後には30分以内に食事を

運動後30分以内が栄養補給のゴールデンタイムと言われています。
この時間にたんぱく質をしっかり摂取することで筋肉の合成を促し、糖質はそれを更に押し進めます。

Jリーグの下部組織でも、トレーニング場の真横に食事のできる施設を作っている所がいくつかあります。
これは運動後にすぐ食べる事の重要性を理解しているからです。

グアルディオラ監督はバイエルンでも、シティでも、試合後にスタジアムでの食事摂取を選手に推奨しています。

これは次の試合に向けたコンディショニング対策のひとつであり、無視した選手には厳しく伝えることも有るほど重要視しています。

トッププロが気にすることを気にしないというのはおかしな話です。


試合の前の日の食事

基本的に夕飯までは何を食べても大丈夫です。
夕飯で気を付けることは胃のもたれを次の日に持ち越さない為に
揚げ物などの重すぎる、消化の良くないものは避けることくらいです。


試合当日の食事

試合が終わるまでは揚げ物は引き続き我慢です。
それと同じく野菜の摂取も少なめにしましょう。

野菜は消化できない食物繊維を多く含んでいるので、胃や腸といった消化器官に負担をかけてしまうことと、試合前などに便意に襲われても困る点からです。

試合の3時間前に最後の食事(エネルギー補給)をします。
うどんなど消化の良い物を食べましょう。

イングランドのチェルシーでモウリーニョ監督が指揮を執っていた時には
ホームでの試合3時間前にチーム全員が集まり消化の良いソースをかけたスパゲッティ―を食べてから試合に臨むという習慣がありました。
油ものは避けて、炭水化物が良いでしょう。

試合直前にどうしても何か口にしたくなったら
僕は飴玉かをおススメします。
緊張をほぐす効果も少し期待できますし。
消化しにくいものなどもそんなに含んでいる商品はないからです。

これで食べ物が胃に残っている為にパフォーマンスが下がる、あるいは食べな過ぎてガス欠になる恐れは大幅に減少することができます。

せっかくの試合ですから、良いコンディションで臨む為の工夫はしておいて損は無いと思いますよ。


まとめとして

ここまで、僕のつたない文章にお付き合いいただき、ありがとうございます。

最後にこんなことを書くのもなんですが

実は僕はサッカーをする人が「プロになる」という目標を持たなくても全然良いと思っています。

サッカーは人生において娯楽の一つであったり、スパイスになるもので、それを職業にするつもりがなくても、まったく構わない。

サッカーは楽しくて自由なものです。

プロにならないという選択肢も大いにありです。


そんな僕がこの情報を作成した理由としては
今、サッカーはブームを越えて、日本の代表的なスポーツのひとつとして定着してきたと言えます。


プロサッカー選手を目指す親子も増えてきています。

でも、プロサッカー選手を目指すという行為について
サッカー先進国のように

「小さい地域の大会でも、スカウトがいる」
「クラブチームがいくつもあって、セレクションがしょっちゅうある」
「そのクラブチーム同士で、やり取りがあって、才能のある子はどんどん良いチームへ行ける」
なんて状況はまだまだ日本にはありません。

むしろ才能のある選手がいたら余所に渡したくないと考えるくらいのチームも少なくないのではないでしょうか。

そのためすごく才能を持った子が、それに気が付かないまま
あるいはそれをアピールする事すらないまま、プロへの道を断念しているということは
実情として多いと思います。

日本ではプロになろうと思ったなら、評価をされる環境に自分から挑戦しないと、よほどの才能がないと自然には発掘してもらえません。

それを全く知らないまま、地域のチームでサッカーを始めて、高校まで地域の学校の部活動でだけサッカーをがんばって・・・

それも一つのサッカー人生ではありますが、
もっと先へ進む為の方法を知らないだけであったなら、挑戦する事すらなく終えてしまう事へのもったいなさを感じずにはいられなかったからです。

そこで、プロを目指そうと思った親子に情報提供をしていきたいと思った次第です。






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