追憶。

          

小さな君が

僕の後をついてきたのは

ずっと

ずっと

 

ついてくるのに

抱き上げると

嫌そうに声をあげるから

戸惑った

 

怪我をしていたんだね

 

君も小さかったけど

僕も小さかったから

一緒に大きくなったけれど

 

君はすぐに大人になり

母になった

 

僕は子供だったから

ちゃんと愛情を注げたかは

わからないけれど

大好きだった

 

ひとりの時や

落ち込んだ時は

君から勝手に安心をもらって

君に勝手に救われて

 

今でもたまに君を

呼んでしまう

心の中でね

 

ああ

もういないんだなって

その度に

想う

 

一度でいいから

もう一度この手に抱きたいなって

その度に 

想う

 

いつまでも

きっとこうやって

ふと

想い出すんだろう

 

忘れて欲しくないなんて

たぶん思っていないだろうけれど

 

ありがとう

一緒に生きてくれて

 

ありがとう

ありがとう

     

【蛇足】

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