技術。

　

優しい人は

優しいだけでは

ない

　

もしかしたら

根っから

優しいわけでは

ないかもしれない

　

それでも

どう見ても

いつでも

誰にでも

優しい

　

そう

見える

　

そんな人が

たまにいる

　

彼らは

優しく　できる

人

　

優しく　してしまう

人

　

あるいは

優しくしか　できない

人

　

理由は

人それぞれ

　

そう生きざるを得なかった

そう生きるべきだと思った

そうする方が楽だった

　

何れにしても

　

彼らは

できる。

　

愛している。

大切だ。

悲しませたくない。

　

そう　想うことは

とても素敵なこと

　

でも

　

何かを

成せているかと言えば

相手に伝わっているかと言えば

霧の中

　

愛　する

大切に　する

優しく　する

　

どれだけ優しかろうと

どれだけ愛していようと

どれだけ想おうと

　

表せなければ

その意味は

とても小さなもの

　

偽善か

自己満足か　と

問う前に

　

本当に

できているか　と

問う

　

愛情を

伝える　技術

示す　技術

共有する　技術

　

そのための

関係を　築く　技術

　

相手に

言葉を

渡す　技術

受け取ってもらう　技術

　

恥ずかしさや

プライド

不安や

防衛本能を

少し

脇に置いておく　技術

　

素直な

自分を

晒す　技術

　

ノーガードで

相手を

信頼する　技術

　

笑ってもらう

一緒に笑う　技術

　

一緒に

過ごす　技術

　

それが

どこから来たものであろうが

小手先であろうが

　

うまく

愛せているかと

自分に　問う　技術

　

できないと

嘆く前に

一つずつ

少しずつ

　

何かを　成そうと

示そうと

伝えようと

　

技術は

そこからしか

生まれない

　

愛されていた　と

後から気づくのは

虚しかったり

悔しかったり

情けなかったり

ありがたかったり

　

でも

どうせなら

　

伝わるように

　

小手先でもいい

　

人真似でもいい

　

涙が　流れたっていい

　

技術はいずれ

惰性になる

　

それでも

　

届けて欲しい

　

届いて　欲しい

　

大切に

するために

　

【蛇足】2020.01.25付記