なぜ双子の女の子が廊下に立っているだけで恐怖を感じるのか

シャイニングというホラー映画界のバイブルを観たことがある人も多いかもしれない。映画に出てくる双子の女の子の映像を思い出しては身震いすることがある。廊下に双子の可愛らしい幼い女の子が立っているだけでなぜこんなにも怖いのか。

画像1

幼い子供というのは本来可愛く守りたくなる存在であるはずなのに不気味さとこの後何か起きるかもしれないと、視聴者の想像力を悪い方向にかき立てるのだ。
一卵性双生児と対象で人工的な背景という組み合わせが、不自然さを感じさせるのだろうか?

とにかく、この双子は映画内で一度もいわゆる怖いことはしないが、シャイニング全体を通して通ずる「何か怖いことが起きるかもしれない」という恐怖で頭の中をいっぱいにするのに一役買っているように思う。

しかしながら、これは視聴者が自分の頭の中で勝手に作り上げた恐怖心なんだろう。恐怖のみならず、不安もそうだ。上の双子の映像をどのように認知するかで、その後の感情は左右される。可愛い、楽しい、と感じる人もいるだろうし、怖い、不気味だと感じる人もまたいる。前後の文脈と背景をつなぎ合わせて、自分の頭の中に恐怖を作り上げているだけだ。しかし、"だけ"ではないのだ。もっとも恐ろしい恐怖というのは、自分の中に作り出す想像力から来ている。

プリズンブレイクでこんな台詞を主人公のマイケルはい言う。

"When I was young, I couldn't sleep at night because I thought there was a monster in the closet. But my brother told me there wasn't anything in the closet but fear. And fear wasn't real."

恐怖に実態はない。不安も同じ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?