【連載小説】もし、未来が変えられるなら『12話』
次の日も、僕たちはデイケアにいた。いつものように絵を描いて、昼食を食べ、午後から、なんとなく2人で外に出た。デイケアの前の道を2人で歩く。何もない一本道だ。もう息も白くなる季節だった。気温が刺すように肌に牙を剝く。少し歩くと、右の坂の上に向けて石段があるのがわかった。僕となぎは吸い込まれるように、その石段を登った。上り切ると小さな社みたいなものがあった。それ以外は生い茂った背の高い草しかなかった。その社の前で、なんとはなく2人で座る。他に誰もいない吐いた息遣いも大きく聞こえ