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参加レポ|バックオフィスコミュニティ勉強会 第2回〜職階別スキルマップ検討会(情シス・経理編)〜

 バックオフィスコミュニティの勉強会に参加したのでレポしつつ、考察というとおこがましいのですが思うところを徒然と書いてみたいと思います。

 今回のテーマは「職階別スキルマップ検討会(情シス・経理編)」。スキルマップは評価面談の時期などに見たり考えたりすることはあれど、言語化とか掘り下げるようなことはあまりしてこなかったのでとても良い機会でした。

↓以下、主催のソリュエイさんのポスト(ツイート)より

※免責、というと大袈裟だけども

 ソリュエイさんも会の中で仰っていましたが、バックオフィスでレイヤーごとにスキルマップを起こすとしたらどんなスキルが求められたりどんなタスクがこなせると良いだろうかと【楽しく】ああでもないこうでもないをする会=あくまで有志の勉強会であって、「これが正解だ!」とか「この職階はこれができないとと書いてあるのにできてねーじゃねーか!」とかを言いたいわけではないのでその点はご了承ください。

 目指す/求められるスキルって、個人や組織によって当然前提や事情も異なるので、各々が聞いた内容を持ち帰って・参考に、自分の方向性を考えたり周りに働きかけられるといいなと思います。

当日の流れ

 冒頭、ソリュエイ さんから会の趣旨と注意事項(↑)、ゲストスピーカーのいとぅさんの紹介がありスタート。会は大きく3部構成+Q&A・フリートーク。

  1. スキルマップ(総合):部署によらず職階ごとに求められるスキルや実行すべきタスクをディスカッション

  2. スキルマップ(経理):経理部門の職階ごとに以下同

  3. スキルマップ(情シス):情シス部門の以下同

・仮想企業は従業員500名程度の非上場会社、管理職:裁量労働は課長職以上を想定
・職階は、本部長(役員クラス)/部長/課長/係長/主任/スタッフ

部署は横断で・職階ごとに会の内容をまとめつつ考察してみたいと思います。

スタッフ

・過程/結果の指示を受けて、指定された期限内に正しく実行する/できる
・報告・連絡・相談ができる

 過程/結果の指示は、情シスで例えれば「PCやサーバのセットアップはこの手順書に沿って行い(過程)、各種設定がこの状態になるようにしてね(結果)」となる。
 総合/経理/情シス共通して、実務・手を動かす部分を着実にこなすスキルが求められそう。その他にも「イレギュラーやトラブルが発生したときには、先入観で自己判断せず上位職に指示を仰げる素直さも必要」との意見も出てなるほどと思った。

主任

スタッフのスキルに加えて
・与えられた業務を自分の力で完結できる、必要ならヘルプ要請できる
・結果の指示を受ける(過程は任される)
・「主で任せられる」

 スタッフより専門的な知識やスキルを有する。定型的な業務は主体的にこなせ、スタッフ層への指示や育成ができると理想。徐々に課題発見力や状況把握能力も求められる。

係長

主任のスキルに加えて
・特定領域でのタスクレベルのマネジメント
・手順書やルールの作成
・1on1指導、育成
・非定型の業務、プロジェクト対応

 課の業務の一部を取りまとめ、よりリーダーシップが求められる。プロジェクトではメンバー〜チームリーダーの役回りが期待される。
 あとで思ったのは型のない仕事を仕組み化して定型業務に落とし込み、主任〜スタッフに任せられるのも◎。

課長

ここから裁量労働制が適用、守備範囲が一気に広がる。定額制サブスク?
・年次予算策定、業務計画立案・実行管理、プロマネ
・他部署との調整
・部下のケア、チームのモチベーションを保つ

 プロマネや日々の課横断でのタスクをこなしながら、メンバーの育成もできて初めて部長への道が見えてくる。一人じゃムリとなるのが課長。調整しやすくするため、日頃から他部署とのコミュニケーション・仲良くしておくことも重要。
 その他、お金の管理も重要になってくるので、経理でなくても最低でも簿記3級相当の知識と感覚はほしい。(当然、経理の場合はより上位の知識や経験が求められる)
 係長〜課長はプレイングマネージャーになりがち。課長になったタイミングでは係長と比較して年収逆転現象が発生?多忙は中間管理職の宿命、課長働きすぎ問題。

部長

席が一気に減る、椅子取りゲーム。課長から部長になるのが一番しんどい印象。
・予算承認、実行責任を持つ
・中計、投資計画の策定
・役員への報告と社内外の調整
・部下の評価
・「戦術」より「戦略」

 仕事の仕方というか、スタンスが変わる印象を受けた。課長は部下を見るイメージ、部長は組織全体を見て・スケールを目指しつつ、上(本部長〜役員)を相手に交渉したり影響力を発揮していくことが求められそう。

本部長(役員)

・予算・計画の承認責任
・経営判断、会社全体に対して部署の方向性を示す、誤っていないか舵取り
・他の役員とのネゴ

 面構えが違う。覚悟はいいか?事業と組織の総合力・結合力が求められる。必要なことは他役員にも負けずに押し通す意志。判断ミスが組織としての致命傷になることも…そりゃ怖くもなる。

バックオフィス人少ない問題

 単純なイメージだとピラミッド型:本部長〜スタッフの順に裾野が広いイメージでも、組織の規模によっても求められるレベル感が変わってくるよねとの意見も。主任一人あたりスタッフが何人割り当てられるのか、とか。バックオフィス部門は事業部や営業などと比較するとどうしても人数を確保しづらく、一人あたりの担当業務/タスクが広く・少数精鋭になりがち。
 情シスだと組織的には従業員の1%程度が平均と言われることもあり、仮想企業の500名なら5名前後になるけど、まだまだ一人情シスの組織もあったり。その場合スタッフなし・課長〜主任級の仕事を一人でカバーすることもある。

プレイングマネージャーつらいよ問題

 プレイングマネージャー撲滅すべし!無限労働はすべきでない・マネジメントに集中してほしいとの意見は総意としてありつつも、今まさにプレイングマネージャーな人がちらほら…
 係長〜課長になる人って元々しごでき=部・課のエースだったりするので、過渡期はどうしてもあると思うんです。そのタイミングではどうしても一時的にチームとしてのパフォーマンスは落ちる。ただ「遊び」というかゆとりがないと、プロジェクト管理でのリスク対策・対応や新しいことへのチャレンジってなかなかできないと思うので、"遊べる"余裕のあるバランス感覚があるといいのかな。

評価レンジむずい問題

 同じ課長でも、部下の少ない課長と多い課長で同じ評価レンジでいいの?って課題も。かといって給与体系の問題とか:係長までは残業しまくりで人件費高騰、肩書きがないと動きづらいシーンも出てくるから便宜上仕方なく上げているケースも大いにありそう(参事、担当課長…等、似非課長(コラ))
 あとはプロフェッショナル・スペシャリスト職の評価体系もほしい。管理職としてではなく、技術力や専門性の高い人を評価する制度ってその人をつなぎ止めるためにも必要だよね ↔︎ 500人規模のバックオフィスだとなかなか作るのが難しい…

終わりに|会社・組織の常識を疑う

 特にプロパーで注意しないといけないのは、どこが自社固有・特有で、どこが世間一般か判断がつきにくいところ。この会だけでもいろんな意見が出、これをきっかけに組織を超えてクロスボーダーすると、世間で求められているスキルが少しずつ見えてきて、その中で自分が伸ばすべき・補強すべきところや、自社・自組織の強み弱みなどが見えてくる…かも?それを自分のキャリアパスや組織の評価制度にフィードバック・働きかけていくとよさそう。

 こういった会や場で外の意見を聞けるのは本当に貴重ですね…主催のソリュエイ さん・ゲストスピーカーのいとぅさんありがとうございました。一緒に参加いただいた皆さんも、いろんなご意見聞かせていただきありがとうございました。


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