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【作品手記】曲も吹っ飛ぶ 大自然をテーマに・・・

深い深い森の中 ひとり 佇んでいる——
どこまでも連なる針葉樹たちが 空をおおい、光さえ届かない・・・
暗く 静かな森に 冷えた空気がそっと私の頬をなでる・・・
満たされぬ私の心を 癒してくれるのか・・・
大いなる 大自然・・・
 
ヴァイオリン協奏曲第1番“ファンタジア”——MasahiRoさんの作品は
こんなシーンから 物語は始まる・・・
 
果てしなく広がる大自然——色々な時代を乗り越てきた 不動の存在すら感じさせるこの森が、そっと私を包み込んでくれる
哀しみに満ちたこころを溶かし、孤独から解放させてくれるかのように・・・
と、目の前に美しい湖——
きらきら光る水面が 眩しい!
こんこんと沸き出る泉に いつしか心あらわれる自分が!
と思う間もなく、どこかへ迷い込んでしまったのか——
この森には・・・不思議な魔力がある・・・と 聞いたことが・・・
あたりはすっかり もといた場所に——
 
私は 試されているのだろうか・・・
出口のない道、行けどもたどりつけないもどかしさ・・・
それでも 私は前に進まないと・・・
気持ちを緩めた瞬間、この広大な大自然に飲み込まれてしまいそうだから——
哀しみも、苦しみも抱えたまま——
 
ふと、飛び交う鳥が 私を応援している・・・
——勇気が湧いてくる
 
大自然を彷徨う 私——
圧倒される 大自然を前に 私は何ができよう・・・
 
・・・やがて、夜も更け、自らを省みる
思えば、随分来たものだ・・・それなのに(何も 見えない!何も 変える事ができない・・・)
癒えぬ哀しみ・・・なぜこんなにも・・・
 
朝が やってくる・・・
不思議と こころ穏やかだ・・・
すがすがしささえ 感じられる!
昨日までと 明らかに違う自分に 驚きすら感じる!
 
生まれ変わったのか・・・?
いや、そうではない!
この大自然の中で、なんて自分は小さいのか!
なんて無力なのか! と。
哀しみをのりこえる・・・?
いや、哀しみとともに!
ひとりで生きていこうと決めた私には その力がある!
 
不安は・・・ない、とは言えないが、
自信と 期待に 心満ち溢れる自分が そこにはいる!
 
大自然を感じ、生きる事への感謝を感じ、すべてを受け入れる勇気を持とう!
 
大自然の不思議な魔力・・・それは、人を変える力!!
 

書き下ろされたこの「ヴァイオリン協奏曲」 を初めて目の前にした時、そのスケールの大きさと 内容に驚嘆!したのを覚えている。

カナダの大自然を彷彿させるスケールの大きさ!(MasahiRoさんはカナダ出身)
驚異の大自然を前に、己の無力さ!そして 大いなる大自然への敬意!

フィナーレは 
偉大なる大自然、ともに生きる私たちへの 
”賛歌”
が 高らかに響く・・・

曲を超えて ”大自然の中の己の想い! いかに大きい事か・・・!”

あっぱれ!!
 
「ヴァイオリン協奏曲第1番」に寄せて、斎藤真理恵独断の解釈より・・・

次回に つづく・・・