《セミンくん物語第一章》 【第1話 土の中の街】 このお話はまだ人間がこの世に誕生するさらにずーっと前、気が遠くなる程前のお話しです。 この時代この星には海と大陸だけが広がり、その木々に囲まれた大陸の土の中にセミ達の幼虫が住む街がありました。この時代のセミ達はまだ自分が空を飛べるとか羽が生えるなどと言うことは全く知らずに、土の中で一生を終えておりました。 土の中の世界、それは真っ暗な世界、でもセミ達の目には地上から入る微かな光が大きく見えて、生活するには何も困らないのです。