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#SXSW Pitchレポート(2019 その1 / Transportation and Delivery Technology)

山本 健太

自分が見たテーマについて、登壇企業を紹介していきます。

CargoX

ブロックチェーンで海運のサプライチェーンを変革する企業。貨物輸送に関する契約書・証券をイーサリアムのパブリックチェーンに保存していくことで、素早く確実な文書のやり取りを安価に実現するそうです。紙の書類を他国間でやり取りするのはコストもかかるし到着まで時間がかかりますが、ブロックチェーンを使えば合意形成のためのgas(=イーサリアムのトランザクション毎にかかるコスト)のみでスピーディにやり取りができます。
同技術は海運業界以外にも応用できるとして、ポテンシャルの高さをアピールしていました。同じようなアイデアはあらゆる業界において実装が検討されているので、既存業界にどう切り込んでいくか/既存の業務プロセスを深く理解した上でのソリューションになっているか、がより重要になってくるのでしょう。どうスケールさせていくのか?といった質問も出ていましたが、啓蒙していけば理解してもらえるはずというふわっとした回答。たしかにこういったオールドエコノミーへのソリューションというのは、地道に事例を増やしてシェアを拡げていくしかないのかなと。

Einride

自動運転EVトラックを使った無人輸送ソリューションを展開するスウェーデンの企業です。すでにいくつかの企業で導入を開始しているとのこと。従来のトラック輸送に比べてCO2を90%削減、オペレーションコストを60%削減できるとし、人に依存する様々な問題(事故の危険性、管理コスト、etc...)をすべて解消できるとしています。メンバーはほとんどがソフトウェアエンジニア。運送業界の課題として最近語られることの多い「ラストワンマイル」の輸送にフォーカスしているのか、あるいは拠点間輸送が中心なのか?という質問に対しては、出発地点から直接エンドに届けるようなことも可能で、そもそもの前提自体が変わるソリューションだ、と返していました。

electristructure

EVバスを使った公共輸送インフラの構築を行う企業。こちらもスウェーデンの企業ですね。公衆バスを効率的に運用するためのインフラ・IoTツール等を提供しており、充電設備の運用や充電速度に強みがあるそうです。環境負荷の軽減のみならず、コスト最適も同時に実現する持続可能な輸送システムだと表現しています。

ENSO

EV用のサスティナブルなタイヤを開発する企業。エネルギー効率がよく、耐久性の高いタイヤを作ることでタイヤ交換にかかるコストを削減します。また、既存のタイヤ生産には多くの石油が使われていることに対し、彼らは独自のバイオ由来素材を開発したため資源保全の面でも環境に優しいといえます。すでに2社のEVメーカーと契約を進めており、製品リリースに向けて活動中とのことです。

migo

交通検索をサービス横断で行うことのできるアプリ。配車アプリだけでも大手のUberやLyftのみならず、ローカルのサービス(例: Ride Austinなど)が乱立しておりどれが一番得なのか?がわかりにくくなっています。migoを使うことで、配車アプリに加えてイエローキャブや電動スクーター、鉄道利用も含めて横断で経路を検索し、最適な選択肢を簡単に見つけることができるそうです。すでにアメリカ国内でサービスを開始しており、現在のMAUは40kほど。私見ですが、Google Map上で同様のサービスを実装したらそっち使ったほうが便利なんじゃない?と思ってしまいました。すでにUberとLyftはデフォルトで出てくるようでしたし。


ピッチイベントという場の性格も相まってか、ほとんどの企業が何かしらのソーシャルグッドというか、地球環境や社会への貢献という側面を強調しているような印象がありました。投資家の支援を得るための重要なファクターであることは間違いないですが、今後サービスを利用検討する大企業や行政にとってもそういった大義名分はプラスに作用するのだろうなと。

尚、本テーマのアワードはENSOが受賞しました。


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山本 健太
CIO/Co-founder of primeNumber Inc. // データ活用やデータ基盤構築の伴走支援サービスを提供しています