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#SXSW 2019視察レポート その3(3/11 BIRD CEOセッション, Innovation Awardsなど)

山本 健太

以下記事の続きです。3/11はInteractive Innovation Awardsの受賞セレモニーが夜に控えており、Interactive部門の参加者にとっては最もホットな日と言えるのではないでしょうか。

3日目(3/11)

ようやくイベントにも慣れてきたかなという頃合いで、この日もLyftのライドシェア(乗り合い)を使って会場へ。
コンベンションセンターすぐとなりに構えるSAPハウスで、画像認識技術を応用したスポーツゲームの体験に並び寝起きの体を動かします。SAPのビジネスと何の関係があるのかは不明、、、

TradeShow

TradeShowへ。昨日周りきれていないブースを探索します。
NHKエンタープライズ & 資生堂とのコラボ作品、Caico。視覚なしの、音と匂いのみのVR体験。evalaのインスタレーション作品は日本で何度も体験していましたが、嗅覚への刺激が加わるとまた一味違った体験に。ハプティック系もそうですが、少なくとも感覚をより研ぎ澄ませた状態を作るためのちょっとした仕掛けとしては、十分に機能していました。後で調べた所、IoT香水テスターなどを開発しているアロマジョインというベンチャーのデバイスを使っていたようです。

こういったインスタレーションはメディア芸術祭なんかだと長蛇の列でなかなか体験できなそうですが、ちょうどいいタイミングに来れたのでよかった。

Todai to Texasチームの自由落下体験VR。ここは盛り上がってましたねー。

電通プレゼンツの寿司シンギュラリティ。3Dプリンターで味も栄養素もパーソナライズした寿司を出力するそうです。衝撃。

3Dホログラムを小さいファンのようなデバイスで出力するYoongli。安価で手軽にホログラムを出力できるのが強みなのかな?と思ったけど調べたら同じようなのはいくつも出てるみたい。

The future of urban transportation

隣のヒルトンへ移り、狙っていたマイクロモビリティのセッションへ。イベント会場付近でも多数の電動スクーターを提供している、BIRDのCEOが登壇していました。

以下要約

・アメリカでは渋滞問題が深刻
・「ラストワンマイル」の移動に車は不向き。小回りの効くバイクやスクーターが適している。
・安全性の面で課題が多い
・安全性の問題は女性にとっても特に重要。シティバイクの利用者のうち、女性は20%程度にとどまっているのが現状。
・street designを重要視している。自転車専用レーンを設置するなど、マイクロモビリティを前提とした安全なスマートシティ作りにシフトしていくべき。
・スクーター、ライドシェアはいまや多くの企業が参入したがっているので、消費者は価格や質などの観点で複数の選択肢から選ぶことができる。birdはクオリティに自信がある。
・NY, Chicagoなど、天気が非常に悪い地域はどうする?
 →バイクの場合、元々雨を弾く服装が基本なので気にならないはず
 →スクーターの場合、天気が悪いと使えないだろう。今年は多くの企業にとって参入してから最初の冬だったので、各社模索している状態なのでは?
 →定額制で、雨が降っていたら車、晴れていたらスクーター、といったようなサービスはどうか
・利用者マナーの問題もある。乗り捨て時の駐車方法など。啓蒙キャンペーンを行っている。
・いまは米国内のみでサービスを展開しているが、欧州は市場としてどうか?
 →進出する価値がある、amazing marketだ
 →自転車がアメリカよりも浸透しており、専用レーンがすでにある街も多い

私自身も使っていて感じたことではありますが、安全性の課題についての議論に多くの時間が割かれ、注視している現状を垣間見ることができました。とはいえ非常に便利で快適だったので、日本でも法律が許せばぜひ使いたい、、、!と思いました。

Blockchain is Shaping the Future of Content

ランチ〜企業ブースを周り、続いてはブロックチェーンのセッションに参加しました。secret location(=VRコンテンツ制作スタジオ?)のCEOと、IDEOの方による対談形式のセッション。

・コンテンツのマネタイズは難しい
・音楽や動画を簡単に配信できる時代。生産から配信までのバリューチェーンをチェックする必要がある。
・他社のプラットフォームを通して配信された場合などに、ブロックチェーンを使って確実にトラッキングできる
・さらに、コンテンツ生産者が権利を細かく規定できるというメリットもある
・利用者にブロックチェーンを理解させるのが難しい
・Secret locationでblockchainを使ったプロジェクトがあるのか?
 →Third partyのコンテンツクリエイターのマネタイズを支援するプラットフォームを、private版として検証している

聞いている間は前提がよくわからず置いていかれた部分も多々あったのですが、大枠はこちらのペーパーの内容に近い話の実践編といったものでした。(ちなみに公式で録音もupされてます)

Interactive Innovation Awards

コンベンションセンター内のおそらく最も大きなメイン会場にて、Interactive部門のアワードが行われました。テーブル席はほとんど全てPress用っぽかったので後ろで立ち見です。

10のテーマ毎にファイナリストとして残った各5団体の中から、それぞれアワードが選出されます。受賞者一覧はこちら

↑虹彩+指紋認証、のようです。イベント中もライブ会場に入るときなど毎回Photo IDを求められ、日本国内なら免許証で済むのですがこちらではパスポートを提示するしかなく、不便だったのでぜひ普及していってほしいところです。
と思ってたらAustinの空港でも(米国籍の人向けに)見かけたのでわりと普及してきてるんですかね。そういえば成田空港でも出国ゲートが無人化されてて超スムーズになってました。すばらしい。

実際に体験したもので衝撃的だったのは、Music & Audio部門で受賞したnuraphone。元々記事を読んだことはあったと思うのですが、想像以上の音質の違いに驚きました。「耳が音を知覚したときに返ってくる音」を読み取って、実際に出力する音をパーソナライズします。ニュートラルモードとの比較や、他人のセッティングと比較することで誰でもその違いを体感することが可能です。家電量販店とかでデモ置いておくだけであからさまに違いがわかるだろうなー、というレベル。密閉型ですが外の音をミックスして聞こえるようにする機能も備えており、日常利用の面でも申し分ないスペックかと。

その他面白いなと思ったもの

Dubai Paperless Strategy:ドバイ政府は2021年までにあらゆる行政手続きをモバイルアプリ上でペーパーレスに行えるようにするプロジェクトを進めているそうです。
Butterfly iQ:体内の検査に用いられる高周波デバイスを安価に提供。通常100-200万円程度かかってしまう従来機器と比べ大幅にコストを削減し($2k)、金銭的に余裕のない多くの地域で医療水準の向上に貢献します。
Fundamental Surgery:VRを使った手術シミュレーションを提供。医療技術のトレーニングをリアルかつノーリスクに行うことが可能です。
Aira – Visual Interpreter for the Blind:視覚障害者向けの、リモートアシスタンスデバイス。視覚情報を共有しながらオペレーターの音声ガイドを受けられることによって、外出を容易にし、充実したものにする手助けをします。


アワード終了後は、ライブイベントで溢れる街を散策。

NewDutchWaveというオランダをフィーチャーした企画では、オーディエンスとその場でコミュニケーションを楽しみながら音楽を創っていくような試みがあり、デジタルx音楽のイベントらしさが垣間見えました。

その後イギリス系バンドのヴェニューにも足を運んでみましたが、満員で入れず。外から2曲ほど楽しんだ後、タクシーに乗り込みました。

この日の帰りのタクシーではSXSWエリアから少し外れたEast Sideを経由したのですが、より雑多なローカル感がありAustinの本来の姿はこっちなんだろうな、と感じました。クラブから出てきたデベロッパー勤務?の女性とドライバーとが、近年のオースティンの街づくりについて車中で議論を交わす中、ホテルに帰還しました。

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山本 健太
CIO/Co-founder of primeNumber Inc. // データ活用やデータ基盤構築の伴走支援サービスを提供しています